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その夜、舞台は炎に包まれる。
しんしんと冷え込む二月。《エクストラム付属大学》通称《アカデミー》は間近に控えた仮面舞踏会――そしてバレンタインに浮かれた空気が漂っていた。
一方で巷では、放火未遂犯が現場近くにて廃人状態で発見されるという事件が相次いでいた。
放火犯の被害者たる友人:アルヴィーゼを心配するアシュレであったが、彼の正体は『死者』であった。(当作品は「小説家になろう」ユーザー:「奥沢トビスケ」様のファンタジー作品である「燦然のソウルスピナ」の二次創作です。作者様にはご許可を頂いております。
「燦然のソウルスピナ」は中世ファンタジーではありますが、この作品はキャラクターをお借りしたうえで現代風に改変したものとなっております。ご注意ください。)
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:学園
雰囲気:未登録
展開:未登録
寺山修司が市街劇「一メートル四方一時間国家」を演った。それは役者二人が一メートル四方の縄の中で原始からの人間の営みを演じそれが一時間ごとに広がっていくというものだ。終幕に近づくと街そのものが劇空間になるそうである。私はこれにメタ構造芝居以上の刺激を感じた。虚構が現実を飲み込むのである。現実変革のための演劇である。劇の魔力はそこにあるのではないだろうか。なぜこんなことを書いたかといえば、この『ソウル・ブリーフィング』の劇空間がなんともカッチョイイからである。魔法や剣の代わりに劇を選んだ作者に拍手を贈りたい。劇空間における陶酔は時として剣戟や魔物を並ぶ時がある。劇という現実のへその緒は幻想世界にあるのだ。これは意識しなければ描けない。これを見切った作者にの眼力に私は惚れ込むのである。我々は『ソウル・ブリーフィング』という小さな窓枠から演者の繊細な虚構に酔いしれるのである。