評価:★★★★★ 4.5
大学入学のため新しい住居〝雪割荘〟に引っ越してきた青年〝巻柏秋人〟
転居初日。新居の扉を開けたそこには、首吊り女性が白目を剥いて秋人を出迎えていた。幼い頃から幽霊が見えていた秋人は首吊り女性を観察したのち、影がないことから女性は既に死んでいてさらに幽霊であることを見破る。
首吊り幽霊〝立波常夏〟はこの部屋で殺されて自由に動くことが出来ない地縛霊だと自身の状況を語る。
ここから出て行けと憤る秋人に彼女が図々しくもお願いした内容が〝自分を殺した犯人を見つける〟ことで、さらにその犯人はこのアパートに住んでいるのだと言う。
過去に幽霊との接触でトラウマがあり、他人と関わることを極力避けていた秋人であったが、彼女が願いを聞いてくれないと部屋から出て行かないという半ば脅しに近い意地を張っていたため仕方なく犯人を捜すことにする。非日常を望むには、待っているだけでは駄目みたいだ。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
『――私を殺した犯人を、見つけて』巻柏秋人が大学入学をきっかけに入居した〝雪割荘〟新居の扉を開けたそこには、首吊り女性が白目を剥いて秋人を出迎えていた。出て行けと憤る秋人に彼女は自分を殺した犯人を見つけられれば願い通りにする、そしてその犯人はこのアパートに住んでいるのだと言う…。と、一見シリアス推理ものであるように感じる設定ですが、この作品の特徴は主人公と雪割荘の住人含む幽霊の織り成す軽快なマシンガントークや、そのシュールさ。しかし本筋である犯人探しからは一切脱線することなく進められるところも魅力。そして最大のは何と言っても、伏線です。「こんなところに伏線が」というよりは、「こんなものが伏線か!?」となること間違い無し。他にもこの作品の魅力は尽きることがありませんが、百聞は一見に如かずという言葉を借りまして紹介はここまでにさせて頂きます。ぜひご一読下さい。