評価:★★★★☆ 4.4
高校に入学した俺は、念願の図書委員になって平和で平坦で平凡な暮らしをゆっくりと満喫できる……はずだった。
そんな俺の前に現れたのは、無口で無愛想なクラスメイトの梔子さん。波風たたない日常をこよなく愛する俺と、なぜか俺の近くにいる梔子に降りかかってきたのは〝神様〟〝妖精〟〝詐欺師〟……!? しかも梔子に憑いている神様を退治するために、俺が梔子の……純潔を奪う、だって!?これは、感情を失った梔子さんの心を紡いでいく俺と、おしゃべりな友人たちがラブとかコメディとかバトルとかしながらしゃべりまくる、おしゃべりラブコメ……
「ああ、誰でもいいんだ頼むから、あの娘たちのべしゃりを止めてくれ!」
時代:未登録
舞台:未登録
注意:全年齢対象
さて。レビューを書くぞと意気込んできたのはいいものの。ラストに放心しすぎて筆が、筆が進みません作者さん。一体どうなってるんですか。あらすじ……は割愛だ。なーんの偏見も持たずにただの学園モノだと思って読んだ方が絶対面白いから。保証しよう、どこぞの詐欺師と違って嘘はつかないよ、僕は。そのへんの怪しい薬よりもよっぽどクセになりますよ奥さん、これホントです。語彙の多さに圧倒される、巧みな言葉遊び。まんまと騙される、言われなければ気づきもしない細かい伏線たち。ちょっと待って、違和感が!と思った頃には既に、あなたは作品の仕掛けた罠に嵌っている。少年少女が織り成す、不思議な匂いのするこの物語に。それでこの文字数――狙ったよね?遊びすぎ、真剣に遊びすぎだよ。ああ、私としたことが、うっかり興奮して空白もろくに取らず「しゃべりすぎ」てしまったようだ。これ以上は言うまい。続きは本編(文字数が足りな
その日、言葉を紡ぐ少年は、言葉を話さない少女と出会った。 少年には、特に秀でたところは無い。けれども、彼には知恵があった。勇気があった。何より心があった。話さぬ少女の手を取り、分かりあおうとする姿勢には、爽やかな一途さがある。 彼と彼女を取り巻くのは、幼馴染み、留学生、実の妹、そして女詐欺師といった個性豊かな面々。日常のささくれは怪異を呼び、彼が愛する平凡な日常に穴を開ける。けれども彼は退かない。言葉を操り、知恵を使い、現実に滲み出た歪みと向き合う。 分かりあえると信じているから。 分かりあいたいと願っているから。 だから、彼は少女の手を取り、諦めない。 呼ぼう、この愛すべき少年の名を。 彼の名は、久栗ツムギ。ロジックとエモーションだけを武器に、多段式の謎に挑む者。
何処にでもいるようで案外何処にでもいない高校生、ツムギ。そんな彼の日常は超個性的な異性達によって崩壊する。親友と話してると思ったら一切喋らない少女と出会い、転校生の悩みを聞いていたら絶世の美女の詐欺師に出会い、自称語り部はそんな彼女達のために日々奮闘する。それはそんな学園ラブコメ。神をも敵に回す少年の活躍を見逃すな!会話と思ったら伏線!ギャグと思ったら伏線!一文字たりとも見逃せない!圧倒的量の語彙を持つ裏山先生の繰り出す言葉遊びはもはや芸術レベルと言え、驚きのストーリー構成と底が見えないギャグの質と量はもはや神業レベル!天才! 裏山先生の代表作!幼馴染、転校生、ストーカー、詐欺師、無口、妹……とにかく何でも混ぜ込んでおり、混ぜ込んであるにも関わらず秩序があるしっかりとした物語は他に読んだことがない!「頼むから誰かあの娘のしゃべりを止めてくれ!」