一日一善の為なら何でもします!~結城瑞穂の独創ライフ~(200文字小説) 完結日:2016年6月21日 作者:いろは 評価:★★★★☆ 419才、OLの結城瑞穂の生き甲斐は何と一日一善! 特別な理由は一切無し! 善行を求めて今日も彼女は生きて行く! ※ジャスト200文字の連作小説です。 話数:全14話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 女主人公 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 OL 和風 善行 日常 独創 注意:残酷な描写あり なろうで小説を読む
善行とは何か。それは自分が善いと思った上での行動。主人公は純粋な気持ちで善行をしてますが、それによって誰かが悲しむのであれば、それは独善とも呼べるものです。軽めの内容に思えて実に奥の深い作品となっております。一話一話は200文字できれいにまとまっており、とても読みやすい作品です。特に、ちょっと手持無沙汰だな、でもがっつり読むという時間もないな、という方におすすめです。心がほっこりします。オチにもニヤリとしますので、一人で読む際にはくれぐれもご注意を。
この作品は文学的であり、同時に数学的でもあるという不思議な小説です。 まず、毎回ほぼ200字が14回あるという正十四角形のような形をしています。 そして内容を見ていくと、些細な善行からそんな自己犠牲しなくても、というところまで、螺旋状に巻きながら広がっていく貝のように、主人公の行動はどんどん大きなものになっていきます。 二千字以上できっちりと文字数を合わせず、一見正多角形のようでも、よく見ると歪な物でよしとすれば長く連載ができたと思います。 けれど、作者は全体で見た時の整然とした美しさを求めたのでしょう。 最後に私個人の感想になりますが、もう数話書いてほしかったです。 けれど、エネルギーの膨張していく善行は、もう数話書けば、電卓がエラーを出すほどの数字=主人公が破壊される結果となり、ハッピーエンドにならなかったのかもしれません。 この結末で良かったのでしょう。
ひとはみんな幸せを求めます。今だったら欲しいものを手に入れる、美味しいものを食べる、好きな人と過ごすなどの欲求の解消ですよね。利己的に人に求めるばかりでもなんとも思わない人がいます。子どものことを言っているようですが、大人でもそうなのです。でも、このお話の主人公は違っていて、困っている人を笑顔にすることが彼女の幸せなんです。じぶんのためでなく、他者のため。それだけでなく、他者の幸福を自らの幸福にフィードバックするんです。利他的、あるいは、ステレオタイプな言い方をすれば、Win-Winの関係でしょうか。簡単にきれい事で済まさないで、このような“善行”を嫌な顔ひとつせずに行う主人公のストーリーを読んで、ゆっくりと思考してみてください。
タイトル通り、一日一回善い事をするという、ただそれだけの話。ですが、それにはある制限があります。それは『一度やった善いことは二度とやらない』。「何だそんなことか」と思ったそこのあなた。善いことをいくつ思い浮かべられますか?案外出てこないかと思います。作者さんの優しさがにじみ出るような作品です。一話あたり200文字とまとまっていて読みやすい為、読んでみることをおすすめします。