チンピラの唄 完結日:2016年7月28日 作者:赤井"CRUX"錠之介 評価:★★★★☆ 4.2 三十年前に起きた、二つのヤクザ組織の抗争事件。フリーライターを名乗る男の前で今、明かされる事件の真相……残酷な描写と胸糞な展開があります。特に後半は酷い話になりますので、くれぐれも注意して下さい。※2016年12月に加筆修正しました。 話数:全17話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 ノワール ハードボイルド 悲恋 裏社会 鬱展開 注意:R15 残酷な描写あり なろうで小説を読む
まず赤井さんの作品を読むに当たり、読者は一つの事を受け入れなくてはならない。それは劇中で容赦ない展開が待ち受けている事だ。舞台が現代であろうと、異世界であろうと、近未来であろうとも共通であり、登場するキャラは様々な事情を抱えているのだが、基本的に闇に近く悪ともいえる存在である。だが、読み始めるとすぐにその世界観、キャラの個性、物語のテンポの良さに引き込まれる。登場するキャラの心情は細部まで描かれていて、本来ならば単なる悪党でしかないのかも知れない主人公達が本当に生き生きとしている。物語の主役である海斗はチンピラだ。決して人様に誇れる生き方をしてはいない。だが、彼には守りたいモノがある。彼の守りたいものは幼なじみであり、少女であり、恩義のある施設であり、育った街だった。だが人生とは非情だ。何もかもは守れない。最後に彼が何を守ったのか、それを是非その目でし確認て欲しい。
卓越した文章力、ズブズブと感情移入させられてしまう情緒の描写。どれをとっても大変魅力を感じさせられる作品です。ジャンルやストーリーの内容柄、恐らくみなさんの目に止まりにくかったのでしょうが、異世界モノの間に口直しとして読んでみてはいかがでしょうか。ヤクザの一員のリアルな世知を情緒豊かに描いており、思わずのめり込んでしまうことまちがいなしです。