評価:★★★★☆ 4.1
魔女が国によって狩られる世界。魔女を狩る立場である王女ルエラは、自身が魔女でもあった。
とある町で出会った、一人の少女。次々と起こる怪奇事件。全ては、魔法によるものなのか? 事件の中心にいる少女は、本当に魔女なのか?
男装し正体を隠しながら、ルエラは数々の事件を解き明かしていく。10年前、大量虐殺を犯した魔女――己の母親を、捕えるために。やがて明らかになる、惨劇の真実。魔女、魔法使い、王族、軍部。絡み合う様々な思惑。
魔女は、火刑。その理が自分にも向けられた時、ルエラは何を選択するのか。矛盾を抱えた世界における、魔女と人間の物語。
全12章完結済み(個人サイトにも掲載)
話数:全149話
ジャンル:異能バトル
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
これは、魔女は忌むべき存在と定義された世界においての物語。 母が大量殺人を犯した魔女であり、自らがその血を引くという烙印を背負った一人の少女。銀の髪に翡翠の瞳、見目麗しき少女はだがしかし、平和な道を歩むことはなく、自分も魔女であるという痛みを抱えたまま旅をする。男装に身をやつし、母を断罪するために。その一方で周囲の人間に支えられながら、魔女とは何か、本当に魔女だけが悪なのかと考えさせられながら。 時に現実は非情である。母親に対する肉親としての愛情と、その罪に対する憎悪の両立――その矛盾を抱えたまま、少女はコートに身を包み旅を続ける。彼女が求めるのは実は魔女たる母親ではなく、あるべき世界の姿の構築ではないか。幾多の事件を通して、霧の向こうにそれは姿を現すだろう。追跡者でありながら追われる者、女でありながら男、魔女でありながら魔女を否定する――相反する要素は物語を引き立てるスパイスだ。