フェアリーテイル・ドラゴネッツ

内容はいわゆるデスゲームものです。兄弟と共に偶然ゲームに参加していた主人公パックは、危機に際してヒロインやライバル達と切磋琢磨しつつ、ゲームからの脱出を図ります。 ともすれば暗くなりがちなジャンルですが、とても明るい話だったのが特徴です。危機的状況に陥ってなお、それを感じないようキャラクター達が努力しています。 主人公がヒロインへの恋やライバルとの競争を通じて、子供から大人へと成長する、といった感じでしょうか。それを彼の兄や姉といった仲間達が影ながらサポートし、物語は進んでいきます。 明るく楽しい世界が続き、それが少しずつシリアスな展開に変わっていき、気がついたときには結末まで一直線。こんなお兄ちゃんやお姉ちゃんが欲しくなること請け合いです。 個人的には、最後のエンディングでだいぶ安心しました。

VRMMOからログアウトできないデスゲームというシナリオは数あれど、斯くも泥臭い物語はそうそう存在しません。 主人公達は制限時間もある中で次から次へと苦境に立たされ、起死回生の一手は時に虚しく空を切る事も……。 それでも、絶対に諦めません。 頼れる仲間達は固い絆で弱点を補い合って、あの手この手で乗り切ります。 この緊張から解き放たれた時のカタルシスたるや、一読の価値あり！ 随所に潜ませたトールキン作品へのオマージュ、主人公の兄・パフが放つ数々の珍プレイも程よく清涼剤となってくれます。 この節目ごとの「やりきった」感は、是非とも皆様と共有したい！ そして影の主役、ブラックウィドウちゃん可愛い。 もう一度言います。ブラックウィドウちゃん超可愛い。

内容はあらすじの通りで、命がけのリアルMMOでプレイを強いられる兄弟の冒険。デスゲームものにしては明るく、ギャグテイスト。キャラクターもユニークで、皆希望に満ちている。しかしゲームには時間制限が掛けられていて、話数が進む毎に残りの時間がなくなっているのがひと目で分かる。個人的な印象だが、リーダー各のキャラクターもちょこちょこ変な発言をしているが、それも仲間を恐ろしがらせないように無理しているような感じもする。明るさや楽しさの裏にもぞっとする恐ろしさが見え隠れしている。正にデスゲーム界の|お伽話《フェアリーテイル》といった作品。

タイトルの通り、デスゲームだけど明るい話です。明るいのもただ能天気なのでは無く、長男のパフが理知的でユニークさのある芯の強い男だからです。冷静な次女ティーに、ちょっと頼りない次男パックの3人でパーティを組みます。これに明るく可愛いアメリアが入り、デスゲームという暗さのある設定ですが、不安や混乱に染まらず、明るく突き進みます。暗さは生命力の灯火を引き立ててくれると思います。これはそんな灯火が寄り集まって、ダンジョンの奥を目指す話です。