伯爵令嬢は恋の行方を鬼の形相で見守る

パウル・ウィンストン15歳。ドラゴネイア学園高等科1年A組所属。
人よりほんの少し鋭い観察力を持つ彼は、夏休みに校舎裏へと呼び出される。

「ずっと……あなたのことが好きだったんです！」

エリス・レビオノーラ。
同じ1年生の美少女から、パウルはまさかの告白を受ける。

人生初めての経験に舞い上がり、ニヤケ顔で思い悩むパウル。
放課後、彼は告白の返事をするために指定された港の3番倉庫に向かう。

だが彼は知らない。
その恋の行方を見続けるひとりの人間がいることを。

アンジェリカ・ブランドン伯爵令嬢。通称アンジュ。
彼女の目には破壊神を思わせるほどの殺気が込められていた。

これは――淡い恋心に翻弄される若者たちの、夏の一幕である。

※パウル君の観察力は一部の分野において大変鈍いものとなっております。

「伯爵令嬢にとっては紅茶を飲みながら命のやりとりをするなど日常茶飯事」および「伯爵令嬢は転校生に初日から狙われる」の続編です。
6話完結。