評価:★★★★☆ 4.3
ふいに気が付いた場所。
知っていたはずなのに「それ」を示す言葉は脳に浮かばない。
そんな「自分」の傍らに居る彼女。
彼女を、自分を、もう二度と忘れない。戦いを選択し、勝利する事で、少しずつ取り戻されていく記憶、そして精神。その記憶が主人公と彼女が求めている場所へと導いていく。
戦いの末に、行き着く場所とは。
話数:全21話
ジャンル:異能バトル
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
完結日:2016年8月31日
作者:谷口由紀
残光のステイシス。ステイシスとはギリシャ語で均衡状態や均衡状態から起こる静止状態を言うらしい。残った光による静止状態という意味と内容の題名を冠する小説が説きたいものとは何だろう。僕は残光のステイシスを読んでいて作者はなぜこの物語を書いたのだろうと想いを考えに変えた。なぜこのような物語が描けたのだろうかと想いを感じに変えた。これはまるで消化され栄養になったマナのようだ。マナとは神が降らせた食べ物のことで旧約聖書に出て来る。理解は知恵を分解して生まれる。消化され独創となった残光の光源には遥か太古の情景があるように感じる。僕が読後に感じるものに光を見たのは、この小説にマナの栄養を感じるから。
本作には沢山の要素が散りばめられている恋愛/異能バトル/世界とは/人間とは…とにかく色々を旨くまとめた良作だと思う主人公は記憶の殆どを失って目覚めるところから物語は始まる状況が解らないなかパートナーと共にバトルに勝利し駆け上がってゆく物語なのではあるが、作者の幅広い知識に裏付けされた表現力が伴ないどんどん惹きこまれてゆく感覚に襲われる難しい古典的な単語が見受けられるが、そこはWeb小説調べて知識を増やしながら読むのも楽しい異能=心象風景の具現化を使ったバトルはこの表現力なくしては書けなかったと思う心象風景とういうキーワードがのちに意味をもってエンディングへと駆け上ってゆくところはみごとで、タイトルにも書いたが小宇宙≒哲学的なテーマへと物語は収束してゆく、ライト派の方もハード派の方にもおすすめしたい作品