評価:★★★★☆ 4.2
『どうして、こんな結末になったんだ』
この物語に『希望』『救い』は無い。あるのは『絶望』『狂気』だけの最低最悪の物語。
塚原祐介は妹の塚原杏奈と2人で暮らしていた。
10年前に友人の優姫が誘拐される事件が起こり精神的に不安定になり、兄に対しても歪んだ愛を抱くようになった杏奈。それでも兄妹は今日まで平和に暮らしてきた。けれど、10年目の夏休みに全てが狂い始めた。
周りで起こる不可解で残酷な事件。全ては杏奈の凶行なのか、それとも…。
血と憎悪に塗れた最低最悪の結末。けれど、最高に美しい結末。
話数:全3話
ジャンル:ホラー
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
この小説は、それぞれの人間の社会的に不適切な部分を惜しみもなく書きだしています。いろいろな過去があり、そこから壊れていく人間の精神と物語は、この作品独特です。ここに出てくる妹・杏奈。彼女はお兄さんを愛するあまり、自分の邪魔になると判断した相手を見つけ、そして恐ろしいことをしていきます。それはある意味独占欲が強く出た結果だと、私は勝手に思っております。だけどその感情は杏奈だけではなく、人間一人一人がもっているものだと思います。だけどみんなは基本、ちゃんとそれをコントロールしています。でもこの作品に出てくる杏奈はそれをコントロールできず、そしてそこから狂気の連鎖が始まります。そして自分が仮にコントロールできたとしても、周りの人はどうか……。この作品を読み終えたころに、あなたは周辺の人を、どうとらえているのでしょうか?