作家、安堂理真(あんどうりま)は、同郷の新人作家、有井麻矢子(ありいまやこ)の出版記念パーティーに出席する。麻矢子は正体不明のストーカーにつきまとわれており、素人探偵としても活躍する理真がその相談に乗ることになった。
東京から故郷である新潟県に帰郷している麻矢子は、久しぶりの旧友たちとの再会を喜ぶ。しかし、パーティー会場で差出人不明の花が発見されたことを皮切りに、麻矢子の周囲にストーカーの影がちらつき始める。
五年前に起きた麻矢子の恋人の失踪事件。「その恋人は宇宙人に殺された」と口走る少年。理真の前に、不可解な謎がたちはだかる。
そして、ストーカーの正体も分からないまま、転落死体発見の報がもたらされる。煙突に上っての飛び降りと思われていたが、その煙突は登頂不可能な状態であったことが確認された。落ちるはずのないところから転落した、空中密室殺人とも言える死の謎を、安堂理真は解けるか?※現場見取り図などで挿絵の使用があります。
登場人物
事件関係者
有井麻矢子(ありいまやこ)
新人作家。ストーカー被害に遭っている。古橋由起夫(ふるはしゆきお)
麻矢子の高校時代の同級生。書店に勤めている。真鍋次郎(まなべじろう)
麻矢子の高校時代の同級生。地元ゼネコンに勤めている。石黒塔子(いしぐろとうこ)
麻矢子の高校時代の同級生。バイトをしながら熱気球のインストラクターをやっている。倉田文彦(くらたふみひこ)
麻矢子の叔父。小さな航空会社に勤めており、ヘリコプターの操縦も行う。白浜和夫(しらはまかずお)
麻矢子の担当編集者。星野翼(ほしのつばさ)
麻矢子を知る少年。中学二年生。薩摩昇(さつまのぼる)
麻矢子の同級生だったが、五年前の高校三年のときに突如姿を消す。現在も行方不明中。警察関係者
城島淳一(じょうしまじゅんいち)
新潟県警捜査一課警部。丸柴栞(まるしばしおり)
新潟県警捜査一課刑事。中野勇蔵(なかのゆうぞう)
新潟県警捜査一課刑事。美島絵留(みしまえる)
科学捜査研究所研究員。降乃論子(ふるのろんこ)
新潟県警生活保安課刑事。平松(ひらまつ)刑事
所轄署である日吉署の刑事。安堂理真(あんどうりま)
恋愛作家で素人探偵。江嶋由宇(えじまゆう)
理真のワトソン。「カクヨム」にも掲載しております。
流星より愛をこめて ~安堂理真ファイル09~
完結日:2016年9月30日
作者:庵字
評価:★★★★☆ 4.3
話数:全18話
ジャンル:ミステリー
時代:現代
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
粗筋は、探偵役の理真(本業は恋愛小説家)とワトソン役の由宇の女性二人組が、同郷の新人作家のストーカー相談に乗っていたところ、不可解な死体が出て……、という話です。 お薦めは、最後の推理です。「これは、何の根拠もない私の推理だからね。ううん、推理とも言えない、ただの妄想だから」と語られる話にきっとはっとさせられる事でしょう。推理小説で犯人が動機を語るというのは様式美ですが、犯人が真実を話すとは限らないし、反証できる物証が挙がらない限り真相は藪の中です。これはそういった事を考えさせられる作品ではないでしょうか。 これは安堂理真シリーズの9作目です。推理小説の設定に重きが置かれ、まだまだこなれていない部分はありますが、特にこの作品は作者様の伸びしろを予感させる作品だと思います。