評価:★★★★☆ 4.2
アニエス・レーヴェルジュは美しく、気位の高い伯爵令嬢である。
社交界の麗しの薔薇と呼ばれた彼女は、高嶺の花であった。一方で、騎士である貧乏貴族のベルナールは、夜会の晩に生まれや育ちを嘲笑うような蔑んだ目でアニエスに見られたことを根に持っていた。
――最悪の出会いから五年後、アニエスの家は突然没落する。父親の不祥事が原因だった。
周囲の人々は冷ややかで、何もかも失ったアニエスに手を差し伸べたのは、ベルナールだけだった。
彼は使用人として働くならば、衣食住を保証すると言った。提案を受け入れるアニエスを見ながら、ベルナールは一人、ほくそ笑む。
「――ざまあみろ、お嬢様、うちでこき使ってやる!!」
しかしながら、一緒に暮らし始めて、アニエスの本当の姿が判明する。彼女はベルナールが思っていたような娘ではなかったのだ。
仕返しのつもりで家に招いたのに、予想の斜め上の展開となる。そんな元令嬢と不器用な騎士の、ほのぼの恋愛物語。※九話下部に人物紹介を入れております。
※書籍化決定しました!10月5日発売です。
話数:全79話
ジャンル:異世界恋愛
時代:未登録
舞台:未登録
その他要素
美しく綴られた世界観やキャラクターたちが紡ぎだす想いを巧くくみ取られた文体は読み手の思考と感性をほど良く擽りますなぁ!誤解から生まれていた想いが交差したキャラクターたちの反応と行動、そしてオチが読み手には心地よく、一話拝読せていただきますと次々と読みたくなる素晴らしい作品ですなぁ。素晴らしい世界観や物語がいっぱい詰まった宝石箱や万華鏡を連想させるこちらの素晴らしい作品です。是非、二月の夜長に読まれてみてはいかがでしょうか。