評価:★★★★☆ 4.1
陽が沈み、夜が深くなると動き出す者たち『妖魔』。
人に仇なす妖魔を鍛え抜かれた技量で屠る狩人である「コウキ」と、その力となる『命刀・五光稲光』を体に宿す「サヤ」。
世界中の闇夜にうごめく者達とは別に、ある島国の首都である帝都では、更に深い闇が存在していた。
妖魔と戦うことに命を燃やす「コウキ」は、陰謀渦巻く闇の世界に少しずつ引かれていく。
「コウキ」は、闇を照らす『命刀・五光稲光』を片手に、妖魔を斬る。刀と銃を扱い、鍛え抜かれた体から繰り出されるアクション活劇と、レトロな時代観を元に、裏の世界と闇の世界を中心にした、ダークファンタジー。
※バイオレンス&セクシャルな場面がいくつかございます。
過度な表現ではありませんが苦手な方は、お読みになるとご不快な思いをされるかもしれませんので、お気を付け下さい。雪華さんより1話、71話に掲載しているイラストをいただきました。
話数:全73話
ジャンル:SF
主人公コウキは、多くの親しい者の死に為す術もなく翻弄され、過去に復讐するかのように身体と術を鍛え、闇に潜む妖魔を冷徹に滅していく。 序盤から帝都の闇のおどろおどろしさと、無口で暗い主人公の地味なアクションによって、ダークサイドに読者を導ていく。 序盤、やや淡泊過ぎる描写が続くが、中盤以降に明かされる主人公の過去や、主人公に寄り添う女性たちとの心の交流を中心に、キャラクターの深さが無限に広がっていく。 そしてなんといっても『五光稲光』を宿す少女、サヤが可愛く、健気である。 強力な武器であれば、常に傍に置いておこうと思うのが普通だが、コウキはそうしない。 不愛想ながらも、サヤを一つの人格として認め、必要以上の危険に巻き込むまいとしている……そこがカッコ良いのだ。 スチーム・パンクに転ばなかった和製ファンタジーという、貴重な作品である。
主人公のコウキは帝都に潜む妖魔を狩る狩人。その傍らに控えるは、その身に『命刀・五光稲光』を宿した少女サヤ。二人は今日も妖魔を狩るため、帝都を駆ける。アクション描写もさることながら、全体から漂う唯一無二の雰囲気が素晴らしいです。この小説の中には紛れもなく帝都が存在している、そう思わされます。冷静なコウキと食欲旺盛なサヤの二人の掛け合いも魅力です。サヤが食事している場面を見ると幸せな気分になれますよ!帝都を駆ける二人が織りなす本格和製ファンタジー、是非一度読んでみてはいかがでしょうか。
舞台は江戸でも東京でもなく、レトロとモダンとクラシックが絶妙に混ざり合った空気が漂う、架空の都市『帝都』その華やかな都の裏で、夜になると動き出す妖魔たち。狩人であるコウキは、体に刀を宿す少女サヤと共に闇夜にうごめく妖魔と戦う、和風ダークファンタジー&アクション活劇です。「体に刀を宿す」って? と、思うでしょう??抜刀シーンは第一話からありますが、もうそこで「おお!?」です。作者様のセンスの良さが光ります。妖魔よりも妖艶(でも恋愛は不器用)な主人公が、とっても魅力的です。一見、男性向けのハードボイルド作品ですが、女性読者様にもおススメです♪
他の方もレビューに書かれている通り、和風のダークファンタジーなのですが……妖魔と人とが織りなす独特の世界観を作り出しているのは、きっと作者の描く淡々としているようで、実はかなり巧妙な作りの台詞回しにあるのでしょうか?このお話しの魅力は主人公コウキですね。彼の冷たいようでいてたまに見せる人間味ある行動、そのギャップによって生み出される、主人公の芯の強さにどんどん引き込まれてしまう……そして淡々と化け物を狩っている話かと思いきや男女間での肉体関係を思わせる描写がするっと描かれていることで、現実味のある世界観へと見せていく作者の構成力には正直頭が下がります。和風ファンタジーと聞くと一瞬どんなものだ?と少し取っつきにくいイメージを持たれる人もいるかもしれません――が、このお話は少し読み始めるとそんな事はどうでもよくなってしまう位の綺麗な世界観がとても魅力的な作品です。
―― この物語に目を通したその瞬間から、誰もがきっと世界観に引き込まれていくことだろう。悍ましい化け物相手に、可憐な少女の肉体に埋め込まれた刀を取り出す青年の姿は初っ端から強いインパクトを与える。時に残酷に、それでいて鮮やかに闇夜に映し出される『妖魔』と『人間』の戦闘シーンの描写は見事。日本と西洋の文化が入り混じる「国」の姿も美しい。どこか近代的で古典的。和を意識した世界の姿は誰もが知っている文明開化を連想させる。男女の肉体関係の描写もあり煽情的な場面は大人向け。卑しい表現はなく、ありのままの綺麗な言葉が連なるので不快な思いはしません。むしろそれが魅力。レトロあり、アクションあり、恋愛あり、シリアスあり。現実世界から離れて、大人な刺激が欲しい方にぜひ読んでいただきたい作品です。
とある島国の夜を駆け抜ける一人の男と一人の少女。この2人は妖魔を退治する仕事をしている和風ファンタジー物語です。きっと皆さんの生活している中でも見えない邪悪な影が潜んでいるはずです。でもこの2人がいる限り、邪悪はきっと成敗されていると思います。主人公のハーレムお気楽あり、混沌極める正義感溢れるアクションは必見でございます!和風ファンタジー物語、今ここに開幕です!
舞台は異国の勢力に混迷を極める大和?闇夜を駆けるひとりの男とひとりの少女とその他諸々。人知れず、この世にはびこる魑魅魍魎。いざ、成敗いたす!「抜刀」レトロな正統派和風ダークファンタジー ここに開幕っ!闇殺獅 ―帝都に潜む闇を斬る― えっとふざけたテンションで書いてしまいましたが、本作は列記とした和風ダークファンタジ-でございます。しっかりと作られた人物造形、舞台設定のもと、おどろおどろしい妖魔を相手に繰り広げられるスタイリッシュなアクション。個性あふれるキャラクターによる人間味のある会話。空想の物語でありながら、リアリティ溢れる描写。読めばきっとあなたも虜になります。ただし、刀は少女のうなじからでます。これ、重要。
とある島国の首都である帝都を舞台としたローファンタジー。闇に潜む妖魔を狩人たる青年が斬り裂いていく物語。寡黙で無愛想な主人公と食欲旺盛な相棒たる少女。全体的にレトロチック且つハードボイルドな雰囲気で、ありがちなお気楽主人公やハーレムに食傷気味な方にお勧め。作品自体はほぼ出来上がっているそうなので、現在も毎日更新中です。