夢と希望と海賊船

不憫な身の上の少女、ミリザはある日思い立って自分の人生を歩むため海に出る。密航している途中で遭遇したのは、なんと海賊船！ どうしても故郷に逆戻りしたくない彼女は、あろうことか襲ってきた海賊船に乗り込むことに……。という、あらすじだけでなんとも冒険心が掻き立てられますが、もう本当に面白いです！ どれだけ面白いかって、この作品を読ませていただいた数日間、あまりに楽しみすぎて仕事中職場でにやついていたくらいです。船旅の様子、上陸した先での冒険。それらがみずみずしく丁寧に描かれ、まるで一緒に旅をしているような気持になれます、ワクワクします。ですが何といっても、一番気になるのは恋の行方！ 萎びたオバサンが乙女に若返るくらいキュンキュンします！ そして大事なことがたくさんたくさん詰まっている作品です。日常に追われて心が弱っている方、ときめきが足りていない方、本当におすすめ！

もう駄目だと思った時、必要なのは諦めじゃない。新たな地へと踏み出す度胸だ。そんなことを感じさせてくれるお話です。主人公はゲスな両親に毎日こき使われて、終いには娼館に売られそうになったけど、逃げるという選択が出来たから幸せな未来をつかみ取れた。これを逃げととるか、新たな一歩ととるかは心持ち一つ。主題はしっかりしていますが、読みやすい文体でサクサク読めます。たまには凹むこともあるけれど、いいじゃない、人間だもの。ちょっと疲れてしまっている人にこそ読んで頂きたい、そんな一作。

継母からのとんでもない宣言に、よよよ、と泣き崩れる……こともなく、酔っぱらいの父ごと見放し、ミリザちゃんはたくましく家出します。密航した船は海賊に襲撃されて、ろくな人生ではないのかと思いきや、襲撃してきた海賊船でたくましく働き始めるミリザちゃん。。そんな彼女の冒険と恋の物語。ワクワクすること間違いなしです。夢も希望も、手放さずに努力すれば、きっといつかは掴めるはず。色々つらくてよよよ……と泣こうかなと思ってらっしゃる方にも、そうでない方にもお勧めの、元気になれる、力強い一作です！！