評価:★★★★☆ 3.6
鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)――“悲惨な死に方をした者の浮かばれない亡霊の泣き声が、恨めしげに響き渡るさま” 想い人であった少女の死の真相を探るべく、少年は奔走する。しかし、荒廃した廃屋で彼を待ち受けていたのは……。とても暗くて、とても怖くて、とても哀しくて、とても切ない、和風ラメントホラー。
(※ホラー要素・残酷描写有りの作品です。苦手な人はご注意下さい)
話数:全33話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
人が死を迎ふる時、その肉体は土へと帰るが、生前にその者が抱きたりし想ひは現世に残る。 怒りや恨み、憎しみ、嫉み。現世に残されし死人達の負の想ひは連なり、寄り添い、やがて『鬼』となりて形を成す。 《本文より抜粋》 少年はとある少女をなくす。 大切な、とても大切な少女を……。 少年の『想ひ』、少女の『想ひ』が交差する物語。 心情描写がとても丁寧な作品です。 また、最後の雨上がりのようなスッキリとしたラストがものすごく好きな作品です。 このキャラクターたちを題材にした詩集もあります。本編を読み終わってから、そちらも是非読んでみて下さい。
生物が死を迎える時――肉体は土に還る。だが想ひ……精神はどうだろう?世界には未練を残して死に絶えた者がたくさんいる。その恨み、憎しみ、妬み。その想ひは……やがて『鬼』となる。少年はひとりの亡くした少女の事を想ふ。少年の想ひ、そして想われる少女。少女の死の真相を探るうちに……少年は怪異に巻き込まれる。まずは少年の少女に対する、その心情描写が詳しく書かれて読みやすいです。和風の妖怪とホラーの相性も高位だと思えました。ホラーが好きな人は惹きこまれる内容だと思います。全体的に丁寧に書かれているため、物語は読みやすく。読む人には恐怖と、悲しさのようなものが見えてくると思います。和風ホラー好きなら、読むべきです。ホラー苦手だなと言う人にも楽しめる作品です!恐怖だけでなく……何より、あらゆる想ひが深い作品です。読んでみて損はありません!