評価:★★★★☆ 4.2
西暦二〇三一年、謎の結晶体「CE」の襲撃により、人類は緩やかに滅亡への坂を転がり落ちていた。
これは、聖剣の輝きによって地球を救った、偉大な英雄の物語――ではない。
英雄の陰に埋もれ、歴史の闇を駆け抜けた、一人の槍使いの物語。よくあるチートハーレム系主人公の物語が、本当は陰謀にまみれていた事を、脇役の視点から真相に迫るようなお話です。
基本的には学園バトル物のノリとなっています。※「カクヨム」にも重複投稿しています。
話数:全125話
ジャンル:エピック・ファンタジー
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
この作品の主人公である槍使いは武術で最強の戦士ですが、彼は物語の主役ではありません。物語においては脇役《モブ》です。この物語の主役である聖剣使いはチートで最強の存在ですが、彼は作品の主人公ではありません。作品においては端役《モブ》です。槍使いは長年の鍛練で最強の武力《ちから》を身に付けました。聖剣使いは与えられたチートで最強の能力《ちから》を手に入れました。槍使いは武術と戦術を駆使して戦います。聖剣使いはチート火力ぶっぱで戦います。槍使いは頼れる仲間達と共に強敵と戦い辛勝していきます。聖剣使いはハーレム要員を連れて単身敵に攻撃し圧勝していきます。槍使いは英雄《しゅやく》になれない脇役です。聖剣使いは英雄《****》にならされる主役です。槍使いと聖剣使い。対照的な二人を軸に描かれる本作をぜひ一度読んでみて下さい。(作品内閉校式記念日レビュー)
ってくらいカッコいい主人公です多くの人を救う人だけが英雄じゃない、というのが読んで分かりますね回りの手の届く人だけでも必死に守る。それって守られた側からすれば十分その人は英雄ですよね確かに世界が認める英雄にはなれないけどそんなことは気にしない、自分が努力して手にいれた力を信じて前へ進んでいく主人公はカッコいいです一方、作品の主役(笑)君の回りは陰謀にまみれています汚い大人たちと世間に利用される(笑)君とその回りのハーレムの子達が可愛そうになってきた……気がしましたが、(笑)君に関しては錯覚でした英雄とは何なのか確かによく考えさせられますが、読み終わって気持ちのよい余韻にひたれる、後味すっきりな作品です暫くたった今でも、いいラストだったと思えます。ぜひ、読んでみてはいかがでしょうか
何より主人公が格好いい! 並はずれた強さを持ちながら驕らず、人々を守ろうと戦う彼は紛うことなき英雄だと思います。 もっとも、この作品の中で使われる英雄という言葉は、一般的なそれとは違う『固有名刺』(だと私が勝手に思っている)なのですが……。 そして数多くのキャラクターが登場するにもかかわらず、話の流れが決して止まったりはしない点も素晴らしいです!作者様の技量には嫉妬を超えて感動を覚えました。 ネタバレになるため多くは語れませんが、主人公たちは大きな陰謀に巻き込まれます。読んだ人の中には、人間の愚かさや汚さに憤る人もいるでしょう。 しかしそれらを目の当たりにしつつも、決して折れたり歪んだりしない主人公に誰もが惚れてしまうでしょう。まさしく作中のヒロイン達がそうであったように。 裏側から見た英雄譚。人の想いに焦点を当てたこの傑作は、完結から何年経とうと色あせません!
仕事の間と休日を使い3日で読み終えましたなので深くは読んでいないのですがそれでもこの作品からは沢山のことを思えました『英雄の物語の裏舞台』が書かれているこの作品は『英雄』という物の在り方について深く追求していると作品でしたまた、この作品のキャラクター達のほとんどは『救われない気持ち』を抱いていると思いとても読み終わった後の「彼女達(彼ら)をもっと知りたい」という気持ちが強く感じられますこの作品はとてもよくて私自身友人に自信を持って「この作品はとてもいい」と言えます(コミュ障なのでダンガントークができませんし多分ないんですけどね……)とにかくとても素晴らしく『英雄』についてよく考えられる作品で本当に読めて良かったと思いました!
物語の大筋は、主人公をかませ犬に置き、英雄がその道を歩かされていくのをすぐ脇から見ていくという感じです。先に主人公をかませ犬といっておきながらですが、朴念仁なことを除き、真面目で武術家肌の作中きっての良識人です。 そんな主人公が自分の力で、英雄が活躍する脇で表立つことはないが、しっかりと活躍していきます。 主人公が初めからかなり完成されていると思いました、が読んでいることで、だからこそ出せる答えや思いに強く憧れました。そのおかげで面白く読ませていただきました。 お堅いタイプが主人公をやっているものを読みたいと思う方にお勧めです。
この物語の主人公は物語のタイトル通り英雄ではありません。 主人公は心に芯が通っていて、気遣いもできて、武術の心得があります。だけど彼は英雄にはなれません。 強くても、多くの人を救うための力(敵を容易く一掃出来る程の力や世界の命運を左右する能力等)がないからです。 ですが、彼はそんな状況にめげず自分の仲間のために戦いつづけ、格上の相手にも立ち向かっていきます。 多くの人を救えなくても、手の届く範囲の人を救うという強い意思を持ち、仲間を守るために槍を振るう主人公の姿がとても格好いい物語です。 是非読んでみてはどうでしょうか?
レビュータイトルの通り、この作品は「英雄」というものに対する1つの答えだと思います。D組や他の上級生達が経験する別離や厳しい現実、そしてそれとは正反対に、同じ組で戦っていた同級生が消えても何も感じていないように笑う「英雄」。そこには造られたモノ特有の不気味さがあり、読んだ方の中には険悪感を感じた方もいるかもしれません。ですが、そこで会えて読むべきだと私は感じました。人の願い“だけ”で出来た「英雄」と自身の“在り方”で周りに認められる「槍使い」、コインの表裏の様な二人を通して、考えさせられることは多いと思います。
あらすじは間違ってはいません。しかし、あらすじを読んだだけではこの作品の中身を把握しきれないでしょう。学園ものにおける少年少女の交流・戦いというものの残酷さ・裏で蠢く大人たちの策謀――そうした様々な要素がバランスよく組み込まれています。物語が進むにつれて新事実が明らかになり、『英雄』という道化に対しては、ヘイトどころか哀れみさえ感じられてきます。文章力も高く読みやすい作品です。