評価:★★★★☆ 4
「カラス、君の次の依頼はーー異世界に行って、魔王を倒すことだ」
殺し屋。
今どきそんな職業ある? と問いたくなるような我が家の仕事。血にまみれ、死をすぐそばで感じるーーそれが、殺し屋というものだ。ターゲットに情を持ち込むのはご法度。依頼を受け、粛々と遂行するのが仕事というものだ。時に、感情は己をも危険に晒すから。裏社会の中で本名を使うことは稀で、大抵はコードネームを名乗る。我が家の代表の名は「カラス」。
“カラス“の名前を継いだ私は、父親からの依頼で異世界へ魔王を倒しに行くことになる。ーーーーそれが、全ての始まりだった。
話数:全68話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
異世界転生でも異世界転移でもなく、自主的に異世界に飛び込む主人公は珍しい。現代日本において、その職業は女子高生にして殺し屋。コードネームはカラス。黒い翼の鳥は、ターゲットを狙う。 ターゲットの名前は魔王。異世界の主にして、その世界の人間の敵。 刃は届くのか。蹴りは捉えるのか。互いが互いを狙う戦いの中、徐々に明らかになる事の真相。そして過去。 凍てついた心を脱ぎ捨てて、殺し屋と魔王は生の感情をぶつけ合う。そこから生まれるモノを、私達は何と呼べばいいのだろう。 運命。数奇な廻り合わせ。あるいは歪んだ愛の形。 さらさらと流れる文章に合わせて、けれども詰め込んだモノはけして軽々しくなくて。たまにはこんな作品も悪くない。