評価:★★★★☆ 4.3
例えば、世界に外側があるとしたら。
十六歳の男子高校生・吏生(リショウ)は、平穏に暮らしていたある日の下校中、唐突に不思議な森へと迷い込む。
そこは世界が群生する『世界樹の森』。
吏生は元の世界へ戻れるまでの間、森を管理しているという組織『次元管理委員会』に『迷子』として保護されることに。
そして元の世界へ帰る日、森で事故に巻き込まれた吏生は、フェンリルと名乗る一匹の狼と出会う。
その出会いをきっかけに、吏生は両親の過去を知ることになる。「あいつもきっと、ある意味では『迷子』なんだ」
世界の外側で、自分の居場所を探す『迷子』たちの物語。
『世界樹の森』シリーズ第一作。※本作は『カクヨム』にも投稿しております。
話数:全39話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
とある事がきっかけで、世界の外へと落っこちてしまった主人公のお話です。外側の住人達曰く「世界」の数は数えきれないほどあり、例えるならば、彼が元いた世界は茶碗の中のひとかけらの米粒くらいのとのであり、彼が落ちてきた場所は大きな茶碗の中、とのこと。外の世界へ落ちてしまった主人公は、そこで何日も過ごすうちに色々なものに出会います。その中には彼のルーツに関わる重大なものがあって……そして、一つの大きな決断をします。お話の雰囲気自体は全体的に柔らかく、しかし時に命に関わるようなシーンに差し掛かったりと緊迫感とのギャップがあり、飽きさせません。虎やオオカミや口の悪いリスといった動物キャラクターが登場するなど、童話のように読みやすく、そして最初から最後まで一本の筋が通ったストーリーです。読み終わる直前にこれまでの物語を振り返るとじんわりとあたたかい気持ちになれますよ。