評価:★★★★☆ 4.3
人食い樹木が育つという世界で最も不吉な森には……400年生きてもなおその姿を美しい生娘に留める、人ならざる一族の末裔――《魔女》がいた。精霊たちに愛され、余多の魔法が使える、いわゆるチート的な存在だ。……ただしこの魔女、ただのチート美少女だと思ったらそうでもない。実は先代魔女がチートを越えるチートすぎて、その娘である彼女は平均的な力を持っているのに劣化版扱い。おかげで性格はひねくれ、口癖は「寒い」——いわゆる冷え性で、妖精アリエルが遊びに来ても外に出たがらない。……ある日、ひょんなことから魔女は一人の少年を発見する。しかし魔女は大のニンゲン嫌いで……――
このお話は魔女を主人公としています(一応)。※あらすじ変更してます。
話数:全28話
ジャンル:異能バトル
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
ファンタジー小説って何だろう? と思ったことはありませんか? 魔女って何だろう? 妖精って何だろう? もちろん、 アニメや映画を見れば、あなたの目や耳に教えてくれるでしょう。 でも、一度、この小説を読んでみてください。文字によって緻密に織りあげられた空想の世界。一気に物語に引き込まれます。読めば、その世界が頭の中で色をともなって現れます。 この物語が頭の中で思い浮かべさせてくれる世界は、アニメや映画などと同じく、至福の時間を与えてくれます。 ひきこもり魔女とアホな妖精との掛け合いで物語は始まり、次第にその色を鮮やかなものへと変えていく空想世界。 ファンタジーって、文字の力ってすごいなと、きっと思ってもらえると思います。
これほど丁寧な描写をする作品は他に類を見ないと思います!圧倒的な風景描写、心情描写の上手さ。気づく間もなく、すぐに物語に没入できます。私が特に凄いと思った一文を載せておきます。巨木の葉先の霜が降り、枝から連立する細長い氷柱や、薄闇のなかで細氷が乱反射して輝くさまは、確かに冬期ならではの美しさだ。なんだか読んでるこっちまで寒くなってきませんか?ルゥは一年の半分を大樹の中で過ごす引きこもりの魔女。そこに妖精のアリエルがピクニックに誘いに来ます。ルゥは渋々ながらも外に出て……。というところから、物語は進んでいきます。コメディからだんだんとシリアスに移り変わってきます。そしてそのどちらもが面白い!ルゥは愛称で、ちゃんとした名前は少し後に出てくるのですが、そのシーンの雰囲気も印象的ですよ。是非ご一読を!