藍色庭園 完結日:2016年10月19日 作者:高瀬七芽 評価:★★★★☆ 4主人公の良太は、幼馴染の慎二を殺してしまう。好きな女の子である香奈を取られたと思っての殺人、それは計画的なものではなかった。それからの良太は、自首をせず香奈の元でずっと一緒にいられる未来を思い描いていこうとするが。 話数:全38話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 男主人公 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 一人称 悲恋 注意:R15 残酷な描写あり なろうで小説を読む
家庭内に不和を抱え、幼い頃から自分は誰からも見捨てられた存在なのだと強く感じていた孤独な高校生高瀬良太は、たった一人の親友松原慎二のことを「ある出来事」がきっかけとなり一方的な憎悪のまま衝動的に殺めてしまう。自室のクローゼットの慎二の遺体を隠しきれなくなった良太は山中で焼いて埋めるという証拠隠滅を図った。以後、慎二の遺体は誰にも発見されぬまま、良太は表面上は普段通りの生活を送ることになるが、次第に強烈な罪の意識に苛まれ、警察からの疑いの目を向けられ、慎二の幻に苦しめられながらも最愛の彼女香奈との未来だけを夢見て何とか切り抜けようとしていく。追い詰められていく良太が最後に選んだ結末とは。そして外側からでは決して見えない人々の「本当の姿」がラストで全てに明らかになる本格サスペンス。よく考え抜かれた飽きさせないストーリー展開に、このお話は読み始めると先が気になって止まらなくなる作品です。
残酷だ、と感じる小説がある。私たちも時々出会う。 残酷とは様々な種類があり、それを残酷の感じ方も人それぞれだ。それの代表としてあげられるのが、殺人。 残酷な小説は、私たちもたくさん読んできた。特に、生々しさをなるべく深く伝えようとする作品が多い。 けれどここまで意識的に、残酷を突き詰めた作品は初めてだ。しかし誤解して欲しく無いのは、この作品における残酷というのは、必ずしも全て悪い意味では無い(残酷の概念が違うというべきか)。これは、読んでいただければお分かりいただけるだろう。 本を閉じた後、私たちは思い知る。この物語は、決して誰かの夢物語では無いということを。自分にとっての幸せ、愛、憎しみ、妬み、そして、残酷。今現在あなたが、身の回りに当たり前に存在しているものに向けている感情がどのようなものなのか、ぜひ深く考えてみてもらいたい。 人はいつか必ず、死を迎えるのだから。