アイリッシュ・スナイパー 完結日:2016年12月6日 作者:鰤/牙 評価:★★★★☆ 4.2 かつてのVRゲーム黎明期、当時あるMMORPGで〝邪神〟とまで畏れられた少女は今回、ひょんなことからガンシューティングゲームに参加することになった。 しかし、当時彼女が他のプレイヤーから畏れられていたのは、決してそのゲーム知識やプレイヤースキルなどではなく……、 話数:全23話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 女主人公 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 FPS ガンシューティング サバイバルゲーム サバゲー スナイパー 大学生 暴言 芋スナ 芋砂 邪神 注意:残酷な描写あり なろうで小説を読む
人の傷を抉っても血が滲むだけで、それで相手が奮起するかは相手次第だし、大抵の場合は包帯で傷を塞がれるか、そのまま出血多量で斃れるかして終わる。 傷を抉ることで生まれるのは傷だけだ。 ただし、人の傷を抉ることで自分の傷まで開く者はいる。 この場合、一つ傷を抉るだけで二つの傷が生まれるわけだから、なかなか生産的な作業と言って良い。 思い立ち、また焚き付けられ、かつて何度も夢に向けて血を滾らせては、時を置いてぬるま湯に落ち着いていた主人公は、大学生としての日々の中で小さな怠惰の積み重ねに追い詰められていた。 自信を取り戻すために始めたVRGS(仮想現実上の銃射撃ゲーム)とそれにまつわる諍いや出会いは、彼女に与えられた逃避先であると共に、「逃避」という言葉を突きつける糾弾者でもあった。 これは古傷探しと傷抉りのエキスパートでもある著者による、再生と超回復の物語だ。