評価:★★★★☆ 4
軍団大隊長から左遷された国境守備隊第25隊の今期隊長。彼のいい加減な言動に振り回されたり、彼と共に事態を加速させる部下たちや、時に素朴でしたたかな町の人々との、どこかノンビリした日常。曲者の隊長とコワくて口煩い補佐官、神々から与えられた異能の力にもがく【能力者】の部下と、それぞれの事情を抱えた職業軍人たる不真面目な部下達が、何となくとぼけた田舎の兵営生活の中で見出す、「人間として生きる自分たち」の姿の話。
■【本編完結済み】全6章50話です。【外伝】5話、【人物紹介等】2話あります。
■著作傾向:特に主人公を特定しない、三人称多観点の作品です。シリアスを背負ったほのぼの生活、を目指していますが後半はシリアス先行。各章で独立した作話ですが、続き物です。一話5〜6000字台です。
■2016.03.29-第1章『少年と能力者』を後日分割した為、投稿日にズレが生じております。
■2016.08.23-お陰様をもちまして、無事完結いたしました。ありがとうございました。
■2016.08.26-設定資料ページを新設しました。本編読了前の閲覧にはご注意下さい。
■2016.11.27-12.01[外伝]全5話投稿済みです。
話数:全57話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:ゆるい
展開:未登録
注意:全年齢対象
磨かれた石ころがあるのだ。 ハイファンタジー作品であるがこの作品には宝石のような美しいキラキラしたものはない。あるのは日常だ。異世界という場所にいきる人々の暮らし。燃え上がるような熱い展開はないし、だからといって過剰な悲劇があるわけではない。起承転結はあるが、過剰なアクションがない。派手さが少なく物足りないと思う人もいるだろう。こうしてレビューを書いている私も、ハイファンタジーは派手なものが好きだ。 しかし、この世界は素晴らしい。そこに生きるものたちの息吹を感じる。 激流のような作品だけではなく、時には川を流れ石が変化するように、少しずつ変わり行く彼らの日常を覗いてみてみるのも良いだろう。
貴方を決して離しはしないと、あの日私は誓った。互いに望み縛られた私たちは、永遠の鎖に安堵する。物語の舞台は牧歌的な田舎の小さな町。そこには、一風変わった兵隊さんばかりが集まっている。どこか憎めない隊長さんに、「特別観賞用」の補佐官さん、自分に自信のない異能持ちの少年に、少々訳ありの二枚目貴族。彼らの日常はいつもほのぼのとしていて、この時間はきっといつまでも変わらないような気がしていた……。少しずつ歯車は回り、やがて彼らそれぞれが胸に抱える秘密が垣間見えたその時、物語は一気に加速し収束する。繰り返される日常は穏やかでとても優しい。けれど、人は変化できる生き物である。蒔かれた種は芽吹き、育ち、花開く。季節は巡り、そしてまた新しい日常を作り上げてゆくのだ。神の手から離れた人間たち自身の力で。
とっぽいイケメン シャープなイケメンサドっ気イケメンとにかくこの小説は「イイ男」が多いっ!なのに最初はのんびりと皆さんで草むしり。何だコリャせっかくのイイ男たちが台無しではないか……と思いきやまさかそれが伏線だったとわなっ(いや微妙に違いますが)顔だけじゃなく性格もまたいい。それぞれ大人のスパイスが効いていて、たんなるカッコイイだけの物語とは一線を画している。と、とにかく百花繚乱だ、そうとしか言えない。水も滴るイイ男たちの絡み(断じてそう言う意味ではないっ)を見たいのなら是非!断っておくが派手なアクションシーンとかはあまり無い。なんせ地方に飛ばされ、呑気(?)に過ごす軍人さんの物語だからだ。とそこで帰らないでっっじっくり腰をすえて読んでもらいたい。ラストで腰を抜かすほど驚く。そうだったのか!と納得する。その驚愕を味わうための前菜だと思っていただきたい