評価:★★★★★ 4.5

 時は天長三(八二六)年。権勢を極めた藤原冬嗣の死とともに、権力は右大臣藤原緒嗣のもとに移った。
 冬嗣の子藤原良房は嵯峨上皇の娘を妻に迎える厚遇を得ていたが、父冬嗣と対立していた緒嗣の権力下では冷遇され大学頭へと左遷される。だが、そこで大学生達の支持を集めることに成功した良房は、自らの権力基盤を若者と民衆の支持に置くことを決意し、緒嗣と対決することとした。皇太子正良親王の教育係に転身した良房は、それまで二〇〇年間誰もが疑うことなかった律令制への反旗を見せる。緒嗣ら高齢者の非難を受けた良房であるが、法の盲点を突いて大規模な土地所有に乗り出し莫大な財産を築いて失業者の救済と地方の発展を呼びよせた。そんな中、淳和天皇は退位し正良親王が仁明天皇として即位する。
 その頃国外では新羅の混迷が増し、日本への海賊襲来となっていた。国外対策を模索する緒嗣は新羅を通さぬ唐との折衝を目指して遣唐使の派遣に乗り出すが、遣唐使の派遣計画は国家財政の破綻を招き、経済対策に追われた緒嗣の政策は大インフレを呼び起こし、治安が急速に悪化した。良房はその対策に追われ国内の盗賊相手に武力を行使すると同時に遣唐使派遣の中止を主張するも、緒嗣は遣唐使派遣を強行に主張。出航した遣唐使船は全て遭難し百名以上の命が失われる。遣唐副使小野篁らは唐への派遣を拒否して下船し朝廷批判をした。残された遣唐使たちは命がけの航海で唐に渡り全ての船を失いながら帰国したが、緒嗣の企画した唐との折衝は確立されずに終わり、緒嗣の権力は怪しくなる。
 追い詰められた緒嗣らはクーデターを企画。嵯峨上皇が病に伏した隙を狙い、配下の橘逸勢と伴健岑の二人に皇太子恒貞親王の拉致した上での決起を命じるが、これを見破った良房はクーデターを食い止め緒嗣を失脚させることに成功。承和一〇(八四三)年、緒嗣の死とともに日本の権力は藤原良房の手に渡った。


話数:全9話
ジャンル:

登場人物
主人公属性
  • 未登録
職業・種族
  • 未登録

時代:
舞台:未登録
雰囲気:
展開:未登録

その他要素
注意:全年齢対象