評価:★★★★☆ 3.9
主人公のリョウタがとある事情から神社を掃除していると、神様のおキツネ様が現れて異世界カナンに飛ばされた。
そこは中世欧風の世界だが、日本語を575の音で唱えることが魔法の詠唱になる世界だった。異世界人はそれを理解せずに古代言語=間違った日本語を詠唱している。
リョウタはおキツネ様からの膨大な魔力と、日本語を575の音に当てはめた最強魔法で、異世界を駆け上がっていく。
話数:全40話
ジャンル:ラブコメ
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
既に2作を書籍化されている作者様の新作です。まだ序盤ですが読者をひきつける展開の速さ、面白さはさすがのレベルです。面白いです。この先の私のレビュー文を読むより本作を読んだ方が本当はいいです。まずアイデアが秀逸です。物語のコアとなるアイデアが「575」で読む俳句が魔法詠唱となることです。魔法言語が身近な何かという小説はあるでしょう。ただ、そのようなアイデアをギミックとしてだけ使う小説と根本的に違うのは、設定、アイデアを物語にすっとなじませ、読者を惹きこむ力、力というか、すごく自然な流れを作る力です。キャラ造形もさすがです。私は、物語の展開力とアイデアがかみ合った作品だと感じるのです。この作品も、序盤ですが、すでに大きくキャラが動きだし、水準の高い作品となることが、容易に予想できます。前2作に勝るとも劣らぬ作品となり、書籍化されるのかもしれません。
主人公が異世界に飛ばされて物語が始まる系統の小説では、舞台となるのは中世ヨーロッパ風の世界であり、主人公は徐々にその世界に順応していくものである。しかし、この小説の場合、魔法が日本文化と深く結びついているため、日本語がペラペラの主人公の方から世界を和風に変えようと行動するのだ。この新しい発想は、読んだ者に想像以上の興奮を与えてくれる。設定、文章ともにしっかりしており、これからのストーリー展開が実に楽しみな作品である。