評価:★★★★☆ 3.5

『私、無神論者ですから』

 それが彼女の口癖だ。信念だとも言う。
 この考えに至ったのには理由がある。

 幼い頃は神を信じていた。
 超常的な存在の上に成り立つ概念のような存在だと。
 そう言われ、それを信じていた。漠然と、ただ畏れていた。
 
 近所の神社が取り壊された。
 更地が残され、数年後にはコンビニが建った。
 
 道路の拡張工事で、道祖神が撤去された。
 社もご神体もなくなり、何も残らなかった。
 数年もすれば、人々の記憶からもなくなるだろう。

 そんなこんなが積み重なり、彼女は『神』を信じなくなった。
 一言で言えば、スレたのだ。

 たとえ『神』を信じようと、たとえ『神』を信じまいと、結果は同じだ。
 そうやって、彼女は『神』を信仰しなくなったのだ。


話数:全56話
ジャンル:

登場人物
主人公属性
  • 未登録
職業・種族
  • 未登録

時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録

その他要素
注意:全年齢対象