評価:★★★★☆ 4.3
生まれた場所で人生が決まる――。
格差の大きな世界で、底辺の宇宙飛行士として生きるノブとエリ。
辺境の惑星「ベレシト」へ調査に向かった二人は、星を目前にして、スペースデプリ(宇宙ゴミ)の直撃を受け遭難してしまう。
救助が来るのは、早くても三日後。
ただし、来るかは判らない。酸素が持つかも判らない。
絶望的な状況の中、エリはノブに、ある提案を持ちかける。舞台が宇宙なので「SF」にしましたが、科学も天文学も入ってません。
「Science Fiction(科学小説)」ではなく、
「Space Fantasy(宇宙のおとぎ話)」
くらいの感覚でお読みいただけたら幸いです。
話数:全4話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
未知の辺境惑星の探索という危険な仕事をこなす男女、ノブとエリが主人公。運悪くスペースデブリに宇宙船の基幹部分をやられ、惑星の軌道衛星上で燃料も酸素もわずかで救援待ち、というところから、物語がスタートする。知恵と勇気と二人の愛で、危機を乗り切るスペースサバイバルものか!? と思っていたら、全く予想を裏切られた。とてもいい意味で。第一話の終わりにエリが伝えるだ。「この星に、骨と船を埋めよう」と。つまり、それは二人の死を意味する。人は死ぬしかない状況においても前向きになれる。死んでそれで、終わりではなく、死後もその人の意思が受け継がれる。そんな風に思わせる名作だ。ところで、この人、「ねがいごと」でも感じたが、本当はプロ作家じゃないのか? と疑念を抱いてしまうほど、読ませる文章だ。作者の世界に引き込まれる。早く有名になって本を出すのだ!! 皆で応援しよう!!