評価:★★★☆☆ 3.4
この涙は、罪の烙印《シルシ》。
この赫は、消えない咎の焔。
だからわたしは、贖わなくてはならない。とある辺境の街に住む少女、リン・アストロアートは泣き虫だ。『泣き虫リン』なんて呼ばれる彼女は、ある日、図書館の隅で泣いていると不思議な声を聞いた。
「泣かないように、なりたいかい?」
少女の目の前には、一人の少年がいた。
リンは答える。その選択がもたらす結末を知らずに、少女は悪魔の手に縋り付く。
それが全ての始まり。少女の罪は、此処から始まる。これは、涙が炎になる少女と彼女を想う悪魔の――贖罪と恋の物語。
話数:全12話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
始まりは、ある炎に呑まれた街の片隅から。涙が炎になる少女とある悪魔のお話です。この作品の特徴は、気持ちの描写にあると思います。主人公のリンが授かってしまった特性はあまりに特異なもので、それは作中でも幾度となく彼女を苦しめます。ある感情の発露を抑えるために精一杯なのに、そのための行動が彼女にとって辛いものになるという矛盾がありありと描かれていて、目を放すことができず、一気に惹き込まれてしました。そういう意味で展開が読めず、飽きさせない要素になっています。また、作中でもうひとりの主役を担うリンを慕う悪魔。少女を巡る事件の根幹となる存在なのですが、この悪魔とリンのすれ違いの描写がまた上手いです。彼らの再開がとても気になります。まずは手に取ってプロローグを読んでみてほしいです。そして興味が持てましたらぜひ続きも読んでほしいなと思います!