評価:★★★★★ 4.5
はなは、『はな』という自分の名前がきらいだった。けれど、『はな』という着ぐるみを着ていれば、なにもかもがうまくいくような気がしていた。
うまく自分を出せない『はな』のちいさな恋のものがたりです。
※会話がとってもすくないです。
中盤あたりから間接的な表現を使った性描写が入りますので、苦手な方は閲覧をお控えいただければと思います。
話数:全4話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
完結日:2017年1月4日
作者:朝海 りく
人は皆、何らかの着ぐるみを着ているのだ。自分はどんな着ぐるみを着ているのだろうか。実は、誰もが本当の自分を探し求めているのではないだろうか。演じ続けているうちに、気付けばチャックの位置もわからなくなってしまっている。自分でさえ分からないのに他人の着ぐるみの中には、どんな人間が入っているかなどわかりやしない。優しいそうに見えるあの人も。怖そうに見えるあの人も。実は演じているだけで、中の人間は違うのかもしれない。この小説は、そんなことを教えてくれる小説である。それと同時に人は獣なのだろうか。人を人たらしめているものは、何なのだろうかということも考えされてくれる。獣になった人間ほど見にくいものはほかにあるまい。