評価:★★★★☆ 3.9

ごくり、と飲み込む三ツ矢サイダーの味は、ほろ苦い。…どうしてだろう…。
初恋を経験した私が飲んでいたのは…『アクエリアス』だったはずだ。
…そう…だったよね?
車窓から、あの懐かしい風景が、近づいてくる。

エメラルドグリーンの海が陽光にきらめいていて、空を見上げれば尾道大橋が視界に入る。
海が見える、海が見えた。
何年かぶりに見る尾道の海は懐かしい……っていうのは、林芙美子だったっけ。
私は今日、お嫁に行く。

…ああ!私の大好きな、あのまばゆいばかりに輝く海、光の洪水へと、私の麦わら帽子が吸い込まれて行く。
風に…ひるがえり…そう、私自身の屈託のない笑い声とともに…ひるがえりながら…、
その帽子を、前を歩いていた少年の手が、しっかりとつかむ。
笑いながら振り返る少年の顔は、いつしか私とともに大人へと成長し、そして…。
私は今日、お嫁に行く。
いくつものあの人との想い出を、心という名前の宝石箱にちりばめながら。


話数:全54話
ジャンル:

登場人物
主人公属性
  • 未登録
職業・種族
  • 未登録

時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録

その他要素
注意:全年齢対象