評価:★★★★★ 4.5
本当に必要とされているのは『姫良三善』ではなく、『あのひと』だ。
あれから月日は流れ、司教となった姫良三善は箱館支部長として忙しく過ごしていた。
『あのひと』の誕生日である八月八日。その日、一人の少年が三善のもとを訪れる。少年の名は土岐野橘。彼との出会いにより、事態は一変する――。※この物語には一部法律・法令に反する描写がございますが、それらの行為を容認・推奨するものではありません。
※※本シリーズは同名義で「カクヨム」に掲載しています。
なお、本作(Nコード「N9536DK」)は「version:α」となり、その内容に一部「差分」がございます。【バベルシリーズ 一覧】
第一部 契約の箱編(http://ncode.syosetu.com/n6238q/)
第二部 パンドラの匣編 ★今ここ
version:β(http://ncode.syosetu.com/n9003dq/)
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
そうか。そう言うことだったのか。すべてはこの衝撃のラストを迎えるための……幾度も滅びを繰り返す世界。それをとめるために主人公、三善は疾走する。のであるが。と、とにかく彼も読者も、ここまでたどり着くのには、相当の辛抱がいる。が、「じゃあラストだけ、どうなるか見たらいいよね?」という簡単な話にはならない。と言うのもたどり着くまでの苦難の道がそのままこのラストに繋がっているからだ。この苦難を知らなければ、ラストの感動は無いからだ。ああ、小説とはかくあるべし!前作の緻密さにも舌を巻いたが、今回ので私は……作者に立ち上がる力を奪われた。こんな人に私は勝てない。いや、勝ち負けなど、そんなことを言うことすらおこがましい。こんなことが出来る作者がいようとは!と、とにかく続きの喪神編を見よう。そしてこの人の作る物語の壮大さに打ちのめされよう。