アルテル＝レッドファーンの日常

悪い噂しかない薬屋の店主、アルテル＝レッドファーンの元で働くことになった、シェラ。 もしかしたら恐ろしい実験の生贄になるかも……。 だが、実際のアルテルは、噂とは全く違って――。 これは、鈍感で、天然な二人の、じれったい思いを育てる物語。 ――気付けよ！ と、ツッコミたくなる部分も、この二人なら「まあそうだろう（笑）」と、すんなり納得！ それでも、そんなほのぼのとした日常ばかりではなく、二人の元には危険や困難が舞い込むことも、しばしば。 アルテルを思うシェラの行動は自己犠牲を厭わず、そんなシェラにアルテルは――。 ――気付けよ！ 女の子だよ！ あ、突っ込んでしまった……（爆）。 そんな日々の中、ついに、真実とは違うアルテルの評判のせいで、辛い立場に追い込まれることに……。 確かな文章力で描かれたファンタジー。 ハラハラしながら、お楽しみください！

うそ～と思ってしまうほど浮世離れしたアルテル先生と、浮世離れには引けを取らない下働きのシェラに降りかかる試練の数々……それをひたすら前向きに乗り越えていく二人の姿が魅力的です。そして、かっこいいのにあまりにも鈍い、鈍すぎるアルテル先生に驚いたり、苛々したりしながら、可愛いシェラを応援する快感を是非味わってください！！

町の人々が恐れ嫌うアルテル＝レッドファーンは実は優秀すぎる薬師さん。天然過ぎる性格のせいか誤解されてばかりだけど、近しい人にだけは彼の良さはわかってもらえる。町外れの彼の店に男装美少女のシェラちゃんが就職しますが、実は彼女も天然。天然ＶＳ天然の戦いは……じゃなくて、恋の行方はどうなっていくのでしょう？とても心温まるお話です！

何でも無いような設定が、きっちりと伏線として活かされているのが読み進めるほどによく分かり、感嘆させられます。各話のタイトルもシンプルでありながらよく出来ていて、やはり読んだ後にその緻密さが心に残る作品でした。突飛な設定はありませんが（あえて言うならば少年と勘違いされるシェラちゃんの状況に驚くくらいでしょうかｗ）キャラクター達から滲み出ている「心」が胸を打ちます。素敵な作品をありがとうございました！