百花繚乱 完結日:2017年1月23日 作者:桜 詩 評価:★★★★☆ 4時は平安。 左大臣家の一の姫、鞠子は三人目の女御として入内する事となり華やかな宮中で生活がはじまる。寵愛を望まない鞠子は宮中の片隅で悠々自適な暮らしを望んでいたけれど…、想像を越えて帝は麗しい人で鞠子は心を奪われてしまう。 話数:全13話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 女主人公 職業・種族 未登録 時代:平安時代 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 一夫多妻 古典恋愛 和歌 和風 後宮 時代小説 腹黒 注意:R15 なろうで小説を読む
文章が鮮やかに色を持ち、画面の中を踊る踊る。一歩踏み込めばそこは平安の都!美しい着物を身にまとい、詩をうたい、優雅に暮らす平安貴族。そんな華々しい世界の裏では、女同士のドロドロとした諍いが、それでも表面上はにこやかに……。 恋、権力、嫉妬、駆け引き、秘密。酸いも甘いも噛み分けて、男も女も狂乱の宴。まさに、百花繚乱!その中の一花、咲くも散るもそれは決められた事。華々しきめくるめく恋の平安草子を、どうぞ、心ゆくまでご堪能ください。
主人公である左大臣家の一の姫、鞠子は女御として入内。本人は寵愛を望まず悠々自適な暮らしを望むものの、やはり相手は帝様。それはそれはお美しく、鞠子は心を奪われてしまう。そんな平安時代の「一夫多妻制」をかなり柔らかいタッチで描かれており、昔の「大奥」のようなドロドロ感が全く感じられないような書き方は作者様のレベルの高さの表れ。作中に自作の和歌が登場しており、これもハイレベル。帝を思う鞠子の気持ちや、実らなかった想い、秘めていく秘密など、こういう事はあったんだろうな。と思えるような内容が実にリアルに書かれている。作者様の既存の作品の中でも書き方、魅せ方が違う一風。登場人物の心情は現代版の書き方で魅せているので、するりとこの世界に入り込める。「平安時代の恋愛模様」をタイムマシンに乗った気分で拝見できる桜詩ワールドを是非。