評価:★★★★☆ 4.3
主人公・中嶋隆則は、マンガ誌「週刊少年ステップ」でヒット作を飛ばしたマンガ家である。
7年半続いた人気作が終了してから10年。
いまではすっかり世間から“忘れられた”作家となっていた。しかし、かつてヒットした作品のアニメが、中央アジアの小国「ヤニベクスタン共和国」で爆発的な人気を誇っていた。
この“名前を聞いたこともない国”で、主人公は“カリスマ作家”だったらしい。主人公・中嶋は、ふとしたことをきっかけに「ヤニベクスタン共和国」へと渡航する。
“名前を聞いたこともない”アジアの辺境国で中嶋は、クーデターに巻き込まれてしまうのであった。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
素晴らしい! なろう系ならではの作品ですなぁ。現在のなろう系の王道からは離れていますが離れているからこそ出せる味わいが心に響く作品ですなぁ。全体のバランスも良く、一気に読みたくなるエッセンスがたっぷりと溢れている部分がグッドジョブ!ぐぐっと来るいぶし銀的味わいが素晴らしく、作者様の素晴らしい感性を感じてしまいますなぁ!皆様、七月の夜長にこちらの作品を読まれてみてはいががでしょうか。
人気漫画がアニメ化して人気爆発!その後アニメ終了後、流れるように連載終了…そのような漫画思い当たる諸兄もいるであろう。民主化に伴う不穏な政治やクーデター…そのようなニュース見たことがある諸姉もいるであろう。それぞれの事情。それぞれの考え。それぞれの思い。そして、それぞれの未来。それらを漫画家の主人公を通して見ていく、まさに一人一人のドラマ。数奇とも言える運命に流されるも、その一人一人のドラマを見ながら、自らを見つめ直す主人公。そして最後にはドラマティック、奇跡とも言えるようなエンディング。まさにヒューマンドラマにふさわしい作品である。
主人公の中嶋隆則は漫画家で、昔書いた漫画はアニメにもなり大ヒットしたが今は売れない漫画家になってしまっていた。だけれども、日本アニメ芸術祭でスレイマンと出会い昔ヒットした作品のアニメは中央アジアの「ヤニベクスタン共和国」で人気を未だに誇っていたことを知り……毎回一言多い堀田君やユーモアたっぷりスレイマンさんなどキャラクターも濃すぎず、薄すぎずだけれども面白みのありウザさがありません。物語の進行速度も適切で読みごたえもあります。チートとかではなくピンチの時は漫画家という武器を使い乗りきろうとするのでストレスも感じにくいと思います。是非読んでください。