評価:★★★★☆ 4.3
龍鳴山には、人の姿をした古龍が住んでいる。
その龍の傍らには、身の回りの世話をする少女がいた。
ある日、少女は古龍に言った。「あなたのことを教えてほしい」。
古龍は答えた。「いいとも、しかし長くなるよ」。
少女は頷き、古龍は語り始めた。
遠い遠い昔、神話の時代の物語を……。
話数:全23話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
注意:残酷な描写あり

なんでこんなに感動してしまうんだろう?子供のころ、ファミコンが生まれ、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーでRPGの面白さを知った。でも、当時はデータ容量も少なくて、物語は恵まれていなかった。・・・そして、どうしてもレベルを上げることに忙しくて、友達より早く先に進めたくて、物語はなおざりにしてきた。無職転生と、それにまつわる物語は、どこか希薄だった当時の日々を補完してくれる。あの日に遊んでた日々には、背景はこんな世界観があったんだと認識されられる。僕らはもう一度、あの輝かしい日々を取り返している。
十一話まで読了。緻密な世界設定と、人物創作・描写の巧みさが好きです。人気作品である無職転生(以下、無職)と同じ世界の物語だが、無職未読でも問題のない内容となっています。物語の主軸を、神話のような時代から生きている古竜の語りに置いており、説明くささ無く、世界設定を1から知ることができます。情報開示のしかたが上手いのも、この作者の特徴でしょう。本小説を導入として、この世界の新たにファンになる事があるかもしれません。また、無職を既に読んだ人間にとっても、もちろん楽しめる内容となっています。無職読了時点では、無職の主人公であるルーデウスと同様に、敵役を憎みきれずにいた読者も少なくないと感じています。いずれ描かれるであろうラストバトルの前に、読者がこの敵を本当に憎むために必要な物語になるでしょう。
無職転生のあの理不尽な孫の手先生の新作、連載開始です!ドラゴン達の古のものがたり。柔らかな文体で何処かセンチメンタルな雰囲気ただよう書き方は本当に目の前で年配の親類に昔話を語ってもらっているよう。ドラゴンならではの社会情勢や伝統なども描写されていて、ただのファンタジー作品に留まらない世界観の広がりが感じられます。
壮大な世界観に安定感の在る文章。優しい語り口が、物語に見事に融合していて、すんなりと入り込めます。ディティールもしっかりとしていて、物語に惹き込まれてしまいました。昔語りと言う切り口も実に見事で、一気に読まされます。此の物語の今後の展開が、物凄く気になる処です。古龍の優しい昔語りが、幻想的な世界へと導いてくれます。