評価:★★★★★ 4.5
《虚人》。それは、“空虚な存在”という意味で名付けられた、人類の脅威。
地球上での版図を失い、軌道上に逃れた人類は、『塔』によってかろうじて地上とのつながりを保っている。
そのひとつ、3号塔には、《虚人》を撃ち砕く弾雨を降らせる者がいた。
圧倒的な能力を持つその者は、3号塔防衛部隊の塔隊長であり、“《虚人》に最も近づける人間”だ。
彼は《虚人》を知り、人間を知ってゆく。そして、かつて投げられた問いの答えを見出す。
だが、答えを見出したのは彼ひとりだけではなかった――――※縦書き閲覧推奨です。
話数:全16話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
これを読んだ時、アレを思い出した。ええとなんだっけ?そうそうレイ・ブラッドベリの『優しくぞ雨はふりしきる』だったっけ。海外の優秀なSF短編って、時々、SF固有の学術公証や理論性を拒否して、あえて詩的な風景描写に徹する物が散見される。謎を追うでもなく、理論を追求するわけでもなく、設定の妙を眺めるわけでもない。ただ感じる。そしてその物語の中に描かれた光景を見つめるためのSF小説。この作品もそんなベクトルの作品だと思う。あえてここでは内容は書かない。ネタバレだからではない。この作品に関しては内容解説をレビューで書いてはいけないからだ。まずはページを開いてほしい。そこにどんな光景が見えてくるのか、あなたのその目で確かめてください。