火葬 完結日:2017年2月20日 作者:昼夜 評価:★★★★☆ 4.1ある田舎の村では、火葬をすることを許されるのは少女リラとその祖母だけだった。 閉ざされた性格とその謎に包まれた素性から、リラは魔女であることを疑われ周囲から浮いていた。ある日、嘘つきというあだ名をもつ少年カミは火葬を見るべくリラの跡をつける。 リラが魔女でないことを確かめるために。 話数:全2話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 男主人公 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 文学 注意:全年齢対象 なろうで小説を読む
魔女と呼ばれる、リラと嘘つき少年のカミの物語。物語は優しく、確実に時は流れる。作中での描写、キャラクターの会話、物語としての流れ全てに煌めきがある。真理がある。美しすぎる。作家様方は生半可な気持ちでこの『火葬』を読んではいけない。絶対。私はレビューにつられて読んで、暫く 読み終わってもうちひしがれた。文章の理想は人それぞれだが、私の文章の理想の1つがここにある。私が書かずともここに理想は存在する。私が文章を書く理由がなくなってしまう。いいや、この私に足りないものをいつか補える日が来る。読んで欲しいけど、これは本当にノーガードで読むとヤバい。嘘つき少年、カミと火葬を行う、リラとの物語。それだけでは無いのだが、そうとしか言えない。
カミは所謂嘘をよくつく少年だ。たしかに彼の言い分も一理あり、そしてそれはこの作品のテーマとして支えていた事にほかならない。この物語における嘘は、なんと火のように暖かいのだろうか。その火は贈るだけでなく、残った人をいつか温めるものになればいいなと都合よく思っている。リラは今後どういった生き方をしていくのか。もう語られることのないであろうけれど、その先を私は夢想する。できれば、健やかな未来があると願って