評価:★★★★☆ 4
ひょんなことから異世界に飛ばされた高校2年生、赤羽北斗は論理人間であった。
しかも科学や物理の成績が良いわけではない、ただの屁理屈屋の奇人だった。
大嫌いなオカルトが普通に存在する異世界。
そこは、魔法使いたちが支配する場所。
斜陽へと向かう魔法王国で、魔法を使えないがゆえに蛮族として虐げられる人々とともに、彼は戦いの渦へと巻き込まれてゆく。
転移の際に手に入れた、たったひとつのチカラを武器に。
1972年からやってきたオカルト嫌いの少年が、剣と魔法の世界をまかり通る!※毎日更新の予定です。更新時刻は午後8時くらいです。
※完結済みです。
話数:全102話
ジャンル:エピック・ファンタジー
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
まず主人公が1972年を生きる少年という設定に何か強いこだわりを感じて読み始めたのですが、やはりというか何というか、随所にその設定が生かされています。科学の進歩が留まらない時代に生きる価値観が、魔法の存在が常識であるその異世界で彼に「とある能力」を授けます。次々と巻き起こるいくつもの戦闘や国々を股にかけた駆け引き戦略謀略を、研ぎ澄まされた胆力と彼の人間性に惹かれ付いてきた仲間達と共に駆け抜けるそのさまは、大変魅力的で素晴らしいものでした。文章は力強く設定は綻びなく、おすすめの物語でございます。
異世界転生が当たり前になって久しいですが、珍しい設定の話がここにめでたく完結しました。主人公は1972年からやってきた男子高校生、しかもオカルトやファンタジー嫌いという科学信奉者。加えて、それを生かした(?)チートで、魔法を無力化してしまうという無双ッぷりです。しかしこの能力、あとで意外な弱点があることが判明しますが……。 まったりと日常の延長のような話が展開するのが多いこのジャンルですが、当作品はかなり硬派です。一国の運命、一大陸の運命すら激変してしまいます。荒唐無稽ではなく地に足のついた「改革」が行われていく過程が非常に読み応えがあり、引き込まれました。