評価:★★★☆☆ 3.3

 大戦が、新たな技術を生み出した。

 それは、兵器として、失敗作だった。決して使われることはなかった。しかし、不慮の事故によって、世に放たれ、人々へ蔓延した。

 感染したものは、凶暴な獣に作り変えられてしまった。

 人は、それを呪われし男“カーズマン”と呼んだ。

 カーズマンは、世界を覆った。人類同士の争いは、次第にカーズマンとの闘争へと移行していった。

 その数年後、流星の群れが、地上へ降りそそいだ。カーズマンに続き、人類にとって示し合わされたような凶事の連続だったが、これによる被害は、まるでなかった。流星群は、いずれも円柱の形をした巨大物体で、地上へ突き立つのみだった。

 人類が、この出来事の意味を模索できるようになるまで、数十年の時間を要した。その間、カーズマンとの戦いが、終わることはなかった。

 時を経て、円柱の巨大物体の解析が進んだ。巨大物体には、人知を超えた知識が積載されているようで、その中には、カーズマンに対抗する手段なども含まれていた。

 人類は、そこから得た情報を元にして、現状を切り開く武器を作った。

 “パージロッド”である。ロッドが放つ光は、カーズマンを焼き殺す。

 しかし、この武器には、一つの欠陥があった。娘の鮮血を糧としなければ、効力を得られない。

 各国は、少女たちを戦闘員として養成し、クリアラーと呼んで、パージロッドを託した。

 やがて、円柱の巨大物体そのものにも、パージロッドと同じ、カーズマンを滅ぼす機能があることを解明。巨大物体を“シャフト”と称して、そこを囲うように要塞を建設した。

 カーズマンの発生より、百年。

 列島の中央都市へ、カーズマンの大群が進攻するという未曾有の危機が起こる。

 その渦中、二人のクリアラーが、それぞれの戦いを繰り広げていた。

 新米クリアラーの【真剣子】は、おびただしい数の敵を前にしても恐れなかった。持ち前の意地の強さが、仲間の窮地を救う。彼女は、他のクリアラーとは違い、一風変わった存在で、自分の力を持て余していた。

 もう一人のクリアラー【カラクラ】は、“シャフト”を動かせる唯一の人として都市の人々に祭り上げられていた。


話数:全24話

登場人物
主人公属性
職業・種族
  • 未登録

時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録

注意:全年齢対象