評価:★★★★☆ 4.3
里崎楓は見習いパティシエール。ある日、菓子作りの腕を見込まれ、異世界ナノ・バースへと誘われる。そこで出会ったのは、アランシエルと名乗る魔王だった。
一年後に控える人間の王国とのスイーツ決闘のために、菓子作りの腕を貸してほしい。ちょっと待ってと思ったけれど。
剣と魔法で戦うんじゃなく、あくまでスイーツの技術を競う。だから魔王さまも凄腕のパティシエということらしい。
少し変わったこの異世界は、甘いようで甘くない。だったらやってやろうじゃないの。魔王に勇者に女騎士。夢見たファンタジーの舞台で繰り広げられるのは、砂糖とバターの香りただよう平和で美味しい物語。
註:旧タイトル"パティシエの魔王さまとあたしのスイーツな一年"から変更しました。
話数:全64話
ジャンル:仕事もの
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
恋愛ものとして、だけではなく、社会人・成長モノとしてとても高い水準にある作品。主人公のカエデや魔王アランだけではなく、登場人物の誰もが個性豊かで、それぞれのバックボーンがしっかりとあって、読後感だけでなく読んでいる最中もとても気持ちがいい、良い作品です。困る点といえば。お菓子作りの手順がしっかりと、お菓子の味が多彩な表現で描かれているので、私が読んだのは夜の寝る前の時間でしたので……ケーキ食べたくて死にそうになりました……。クライマックスの大勝負もラストも大好きですが、マドレーヌのあの話はずるいですね!大泣きしてしまいました。良質な小説をごちそうさまでした!
物語のそこかしこに、それとなく散りばめられた、過去の戦いの傷痕。 かつて血を血で洗った戦いは、今や作り手と審査員のスイーツバトルに取って代わった。 彼らひとりひとりに、如何なる物語があったのだろうか。 それは個別の考察にお任せするとしましょう。 物語のそこかしこに、ばっちりと散りばめられた、丁寧なスイーツ描写! 斬新な切り口から始まって、途中から色々な意味で応援したくなってゆく楓と魔王様! 描写ひとつひとつに、幸せな空気が詰まっていて、途中のしっとりビターなお話も含めて、夢中で読み進めたくなります。 読み終える頃には、この雰囲気で新作も読みたいし、たまにもう一度読み返したくなる。 そんなスイーツのような魅力が、この作品にはあると思うのです。