評価:★★★★☆ 3.8
高校二年生の黒井愁翔は学校に行かず、暗く閉ざされた自室でゲームなどで無為な時間を過ごしていた。しかし彼がこのようになってしまったのは勉学の遅れや人間関係のストレスではない。数年前に心不全を起こして自身の心機能を失い、人工心臓によって延命された身となっているためであった。そうして終わりまでの時を過ごしているだけの彼は、しばしば姉・哀奈とその友人で心理カウンセラーの神咲鈴に連れられて半強制的に外出をすることが日課となっていた。そんないつも通りのある日、愁翔は彼女たちと共に隣町の大型書店に赴き、帰宅したが車を降りた途端に意識を失って昏睡状態に陥ってしまう。そして愁翔が次に目を覚ましたのは現実世界には存在しないような浮島であった。この世界は一体何なのか。ここから黒井愁翔の、謎の世界からの帰還の旅が始まる。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
心不全により意識を消失した主人公。辿りついた地は見知らぬ異世界。同じ境遇である仲間たちと共に帰還するが為に、心を取り戻すが為に戦い続けるハイファンタジー。ダークな雰囲気ではありますが、創り造られた世界設定が、読むのを飽きさせません。彼等の戦いの行く末をあなたも静かに見守ってあげて観てはいかがでしょうか。
読みやすい転生ものではありません。読み応えのあるハイファンタジーです。難しい言葉もバンバン出てきますがそれをも異世界感を想起させるパーツにすぎません。繰り返しますが転生ものではありません。楽しく読み進められて作家さんなら勉強にもなる作品です。独特の世界観を学びたいのであれば、読むべし、読むべし、おすすめです。