評価:★★★★☆ 4.2
馬、ドラゴン、戦車、魔導車両……あらゆる『乗り物』を自在に操る騎士の一族、ロックフォール家。その次男・リヴァロ・ロックフォールとして生をうけた青年には前世の記憶――現代日本人として、航空大学校を中退し、エンジンオタクであった記憶があった。
「空を飛びたい、そして広い世界を旅してみたい」
前世からの夢を持ち続けながらもくすぶっていたリヴァロだったが、一人の盗賊との出会いが運命を変える。「そういえば、行先は?」
「とくに考えてねーな」
「マジかよ」
「好きに行こうぜ。とりあえず思いっきりぶっ飛ばして、面白そうなところがあったら寄ればいい」――なにしろ自由なんだから。
これは、二人の男が自由気ままに世界を駆け、夢を追う姿を書いた漫遊記である。
話数:全33話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
「空を飛んで、自由に旅をして、自分の目で色々な見てみたい。」そう夢を抱いていた彼は、社会の 一歯車として働く内にかつての夢を諦めた。夢の溢れる世界にリヴァロとして生まれ変わり、未だ見ぬ地が溢れる世界での彼は一人の男と出会う。夢に生きる二人の男が出会い、お互いに認め合う相棒となっていく過程と、その描写は忘れかけていた夢への羨望を思い出させてくれます。彼らは世界にどんな影響を与えるのか、そして最後は何処に行き着くのか、その展開が気になることは避けられないでしょう。
夢をあきらめたバイク乗りが出会ったのは夢に生きる盗賊!いろいろあって二人旅をすることになるのですが、これがいい。まるでアメリカの荒野をバイクで突っ切るが如き爽快感。からっとした男同士の友情。まるでスタンドバイミーみたいなキラキラしたあの頃の青春の感覚がよみがえってくるかのようです。夢をあきらめて日々の生活を生きるとき、ふとこういう夢を追いかける物語を読むと精神衛生上いいかもしれません。下手なレビューですが、この小説はある種の男にはたまらない面白さです!
もちろん、みんな大好き異世界転生!タイトルに偽りナシ!特殊な力を与えられて――ではなく、主人公が努力して身につけた知識チートと戦闘力で、夢を叶えるために旅をします。個性的なヒロインたちの魅力もさることながら、なんといっても注目したいのが、相棒の盗賊。スタイリッシュで、野性的。チャランポランなようで、核心に迫ることを言う。王道で、アウトローな、アメリカ映画っぽいテイストの冒険譚です!「うわ、こういうやついるわー!」っていうあるある感も楽しめたり。ラノベ好きから、リアリティあるカッコよさが好きな人まで楽しめること間違いナシです!
『悪の組織の求人広告』から喜友名先生のファンで本作を読んでみました。感じたことを結論から書くと、『悪の組織』とは全く違う作品、でも個人的には『ワールドドライブ』の方がもっと好きです!現世ではバイク屋の倅でエンジンなどの知識と、航空学校の知識を持っていた主人公が異世界に転生。そこでは騎士として生まれますが、魔力が弱い主人公はエンジニアの知識を使って乗り物を作り、操術を磨き、後に相棒となる人物と旅立つという作品です。この二人(主人公リヴァロと盗賊レベック)の掛け合いがとても軽妙で、まるで洋画のコンビのように見えるのです。ルパンっぽい外連味も感じ、懐かしい!笑。テンプレも考えつつ、上手にテンプレ外しをしてくれているあたり『悪の組織』の喜友名先生らしく素晴らしいと思いました。初の異世界転生ものとのことですが、この先も二人の掛け合いと、この異世界がどんなところなのかを読んでいきたいです!