評価:★★★★☆ 4.4
寺社めぐりのエッセイです。京都、奈良を始めとする関西地方、東京を中心とする関東地方、東海地方、そして東北地方の古寺をめぐります。そこで仏教の歴史と思想についての個人的な妄想が炸裂します。仏教以外にも、城、古墳、食文化、美術、自然、産業、民俗学、インド史、中国史などに話題が移ることもあります。学術的なものではなく、フィクションとして楽しんで頂きたいと思って書きます。軽い旅行記としてお読みください。
話数:全72話
ジャンル:アドベンチャー
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
のんびりと寺社巡り体験を綴ったエッセイなのですが、ゆるいグルメや観光を紹介しているかと思いきや、訪問した寺社に纏わる仏教解説が凄すぎます。難解度を表した★なのですが、★5つは物凄い。深くどんどん深く華厳思想などの仏教思想まで教えてくれます。 難しすぎで理解が追い付かない部分もありますが、これまた癖になる。仏教とはそう簡単に理解できるような代物ではないのでしょう。しかし、それを出来るだけ解り易く解説してくれているのです。 ああ、お寺に行こう。そして京都に行こう。そんな気持ちにさせてくれるエッセイです。
軽いものが読みたい、でも、少し知的なものが良い。そんな気分のときにぴったりのエッセイです。著者が実際に訪れた寺社やその土地を旅したときのエピソードを紹介しながら、仏教に関する知識を少しずつ語っていきます。文章は読みやすく、最後まで読むと、いつの間にか仏教に詳しくなっている構成です。著者は学生時代に仏教を研究されていた専門家に近い方ですが、その知識をひけらかそうとするでもなく、無理に抑えようとするでもなく、分からないことは分からないと書き、淡々と語っていきます。また、無理に面白くしようとしたり、オチを付けようとしたりもしていません。その結果、文章には著者の実直で温かいお人柄がにじみ出ていて、そこにほっこりするんじゃないかな、と思っています。各サブタイトルの下についている★は、話の難度を表しているので、★の少ないものから読んでいくのも良いかも知れません。