評価:★★★★☆ 4.2
――四年前に行方不明になった幼馴染みを追って、一希は異世界にまでたどり着いた。
だがその世界で出会った精霊カティアによると、咲夜は二年前に死んでいるという。全ては遅すぎたのかと、一希は絶望に打ちひしがれた。
けれど、この世界で強い想いを残して死んだ者は、精霊へと転生することがあるという。そしてそれは、別の世界から来た咲夜も例外ではないらしい。
――ただ、精霊に転生した人間は、全てを引き継いでいるとは限らない。ある者は記憶だけを引き継ぎ、またある者は容姿だけを引き継いだ。
記憶をコピーしただけの他人や、容姿がそっくりなだけの他人と言うことも出来るし、記憶喪失なだけの本人や、姿が変わってしまっただけの本人だと言うことも出来る。
観測者次第で答えの変わる問題――すなわち、精霊のパラドックス。
咲夜の生まれ変わりがいるのかすらも分からない。咲夜の生まれ変わりがいても、一希の知る咲夜なのかどうかも分からない。咲夜は、この世界のどこにもいないのかもしれない。
だけど、それでも、一希が異世界までやって来たのは、失った日常を取り戻したかったから。だから……一希は、咲夜の生まれ変わりを探し始める。
話数:全25話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
レビューになっているかわからないけれど。読んでほしい、今すぐに読んで欲しい。最後までしっかりと主人公と精霊と、その世界で一生懸命に生きている人々を感じて欲しい。主人公の想い、精霊の想い、壮大なロマンはいらない。目の前の苦難を乗り越えて、支えあい助け合い、最後には必ず思いは伝わる。そんな異世界の物語。