犯人は僕でした 完結日:2017年5月28日 作者:駒米たも 評価:★★★★☆ 4.3映画好きの会社員高畑は、ある日、大好きなサスペンス映画の世界へと迷い込んでしまう。しかも、多重人格の犯人の体で。平行世界のヴィクトリア朝ロンドン。そこで活躍する主人公探偵……の背後で犯人になる予定だった男がコソコソと猟奇事件フラグを折ったり立てたりと忙しなくしている話。 話数:全174話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 イギリス 憑依 映画 殺人 異世界転移 注意:R15 残酷な描写あり なろうで小説を読む
ラスト・アクション・ヒーローという映画をご存じだろうか? 映画好きな少年が、親しくしている映写技師に【魔法のチケット】と【映画館の貸し切り鑑賞】をプレゼントされ喜び勇んで映画を観ていると、いつのまにか少年自身が映画の世界に『入場』してしまう。 そんな物語だ。 この物語の主人公”僕”もまた、老いた映画館長から特別な招待状と【映画館の貸し切り鑑賞】をプレゼントされ、いつのまにか映画の世界に『入場』してしまう。 明確な真実が分からないまま、登場人物の八割が無残に死んでしまうことで有名な後味悪い系ゴシック・ミステリー【ミステリアス・トリニティ】に。爆散するシリアス要素!!破綻する物語!!誰かあのをバカをはやく止めろ!!崩壊する悲劇にシナリオ補正力も悲鳴を上げる!!狂気とメタ・フィクションに隠された荒唐無稽(グラン)な滑稽劇(ギニョール)絶賛開幕中!!
凶悪殺人鬼――多くの作品において恐怖の根源、敵とみなされる存在だろう。けれど、この物語にはあてはまってくれない。なぜなら、凶悪殺人鬼よりも迷惑な人間が主人公であるから。主人公に振り回される凶悪殺人鬼哀れとまで思ってしまう。この物語はいわゆる転移モノである。登場人物たちがボロボロ死んでいくミステリィ作品の犯人に主人公が憑依する所から物語は始まる。ところがこの主人公がクセモノすぎた。本来の犯人格の方がまともに見えてしまうほどに。「強く生きろよ凶悪殺人鬼」なんて同情を持ってしまうのはこの作品くらいではなかろうか。読み始めれば、個性的すぎるキャラ達とあちらこちらに散りばめられたメタ要素があなたを魅了すること間違いなし。ミステリィや映画好きの方にはぜひご一読いただきたい。
この物語を推理物と呼んでいいのかと聞かれれば・・・その通りと答えるしかないのがこの作品の素晴らしい所である。主人公の行動力とメタ視点ゆえの観察眼。そして、世界の流れとも言うべきものはやはり悲劇へとつながっていく。そんな中で主人公は楽しみながら、ハラハラしながらそれらをまるで書割を引き裂くように変えていく。息をのむのは積み上げられた伏線の数々である。何でもないような会話の中に、どうでもいいような独白の中に、あるいは登場人物紹介にそれらが張り巡らされているのが後からわかるのが素晴らしい。魅力的なキャラクター、どんでん返しの連続、敵役の圧倒さ。ただの一ファンでしかない主人公がどうやって切り抜けるのか、あばいていくのかその爽快感は何度読んでもワクワクしてしまう。実際何度も読んでしまう作品であり、是非とも魅力的な本作タイトルを忘れずに読んでいただきたい。
誤字ではない。この作品は『ミステリアス・トリニティ』通称ミストリと呼ばれる架空の「呪われた作品」を下敷きにしているのだ。 主人公のショウはただの平凡な殺人事件愛好家の青年だが、ある日映画の上映中にミストリの世界に引き込まれていく。しかもタイトル通り、彼こそが一作目の殺人鬼に成り代わっていたのだ! 謎がちりばめられた霧の町ロンドンを舞台に、次々と開く惨劇の幕。ミストリファンのショウとしては持ち得る知識を最大限に活かして出来る限り楽しみたいところだ。しかし、登場人物の大半が死に行くこのミストリ世界でそもそもショウは安全なのか? 謎を解けばまた謎が。あなたはきっと虜になる。あなたのすべきは謎を解くことではない、真実を知ることだ。 急ぎたまえ、フィルム交換は終わった。作者は手が早い、このままではあっという間に終幕だ。この週末に最高のミステリをあなたに。乾杯。 今なら映像特典も!
掛け値無しに、この作品は映画好きならたまらない作品です。この物語には、映画を良く見る人が頷くような、そしてにやりとする事が書かれいたりします。もちろんそうでもない読者でも、この物語に十分惹き込まれる事間違いないですよ。皆さんも是非一度読んでみてください。そして、映画を良く見る自分は、この作品に出合え、読むことができた事に感謝したいと思います。