映画 『ゲド戦記』 の深層分析 完結日:2010年1月16日 作者:瓢六玉 評価:★★★★★ 4.5映画『ゲド戦記』は「白い影」や「龍になる」など、いくつかメタフィジックな表現によって難解に思われる箇所がある。それらを深層心理学的に分析してみたい。 話数:全6話 ジャンル:ファンタジー 異世界ファンタジー 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 メタファー 分析心理学 宮崎アニメ 注意:全年齢対象 なろうで小説を読む
本作は劇場映画版『ゲド戦記』を深層心理学的に分析したものだ。わかりやすく丁寧に書かれているので、とても読みやすい。 主人公のアレンを中心にして、ゲド戦記の登場人物がグレート・マザー、老賢者、影といったそれぞれの心の原型として解説されており、ユング的な視点から心の構造を学ぶことができる。 興味深かったのは、本作で語られた「母殺し」のテーマだ。母性原理の強い日本では母親との間に葛藤を抱える子供が多い。そこに日本人の特徴や課題を探る鍵がひそんでいるように思われるので、「父殺し」のテーマだけではなく、こちらももっと語られてよいテーマなのではないだろうか。 心の謎と人生の謎を解く手がかりを与えてくれる興味深い分析。