評価:★★★★☆ 3.9
背が低くて地味で意地っ張りの高校生、斉藤弘子は「友人の部活の先輩」という、知り合い未満の相手から突然のアプローチを受けた。些細なきっかけから弘子に想いを寄せていたのは、背が高くてカッコよくて、明らかに弘子とは不釣り合いなテニス部のエース、山根克彦。突然降ってわいた(しかも身分不相応の)恋に戸惑う弘子、過去の経験から女性不信を抱えていささか弘子に執着気味の克彦の恋愛はスローテンポで停滞ばかり。それでもなんとか前進していく未熟な恋人同士の姿を描いた、一進一退の初恋物語。
話数:全25話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
この作者、斎藤さんが生み出す女の子、主人公はとにかく面倒くさい。読者をやきもきさせること受け合いです。そんな女の子を書かせたら右に出るものはいないでしょう。読書中は、どうせそうなるんでしょ? 結局くっつくんでしょ?なんて思ってはいても結末は最後まで読んでみないと分かりません。そのうち自分が青かった頃を思い出したりして、古傷を抉られたりするかも知れません。そして、そんな斎藤さんの作品の中毒になってしまうのです。そうなってしまうと、もう手遅れ。まんまと次から次に読まずにはいられなくなってしまうのです。それも一気に。嗚呼、また読んでしまった……
はい、溜まるんです(真顔)過去にトラウマを持つイケメンと、貞操観念が固すぎる巨乳ヒロイン。二人のあまりの不器用さにヤキモキさせられますが、それが本作の最大の魅力でしょうか。ストーリーがサクサク展開していくわけではないですが、その分心理描写が非常に丁寧で、現実世界を舞台にした恋愛小説としては完成度が高いと思います。