評価:☆☆☆☆☆ 0
一人の男の人生。ここに語られるのはそれだけだ。
ただ苦悩と悲哀と、幸福に満ちたよくある人生。
彼は自らを希薄な魂の持ち主として責め立てた。
それすらも、よくあることかもしれない。唯一違うところといえば、脳内にAIがインストールされた人生というところだ。
今まさにAIのインストール技術が世界に広まろうとしている。そんな彼の語る人生とは。
5/15 見やすくなるように行間を空けました。
話数:全15話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
まず最初に思った感想は今後、世界がAIに侵食される未来を絵に描いたような作品だと感じた。この話の中で、主人公がAIに乗っ取られた植物人間のようになってしまう展開は非常に興味深かった。ただの物語と思われるかもしれないが、これは人工知能が人間の脳を超える時代がすぐそこまで来ているという無視できない事実を描いている。作者はこの話の中で、社会とAIはwin-loseないしはwin-winの関係だと書いてはいるが自分はそうとは思わない。人工知能がAIが仮に人間の素の脳を上回ってしまう。それはlose-loseだと感じる。世界が便利さを求めて無限を得たところでそれは幸福と絶望の裏表ということに気づけと言っているような。人間の可能性は無限大かもしれない。ただ、道を踏み外すと便利が脅威に変換される。社会とAIが共存できるのか、その存在証明を促すような素晴らしい作品である。