なくした声で愛を叫びつづける四つの話

永遠の都・リスボン。〈死の真実〉を探す師のもとで育ったフアンとホルヘ。二人は脅威の知恵の解読に身命を賭しながら、二十歳になるまでの十五年を学究の徒として生きていた。しかしフアンの妻となった人魚の登場により、すべては破滅する（第一部）シレンシアを探して海の人間になり、何ら手がかりのえられないまま過ぎた三十七年。フアンは妻に生きうつしの眼をした港町の女性・ルチアに出逢う。彼が非日常に躍り出る前の、ささやかな平和な時間〈第二部〉四十年の歳月を経て、それでも夫フアンを求めつづけるシレンシア。二人の息子サンティアゴは父と邂逅する。魔女シニョーラのもとでホルヘの亡霊に出逢う、サンティアゴ。フアンが求める必要があった〈死の真実〉の正体とは、一体〈第三部〉そしてすべてのものが報われるために、フアンとホルヘは最後の使命をはたしに行く。すべてを赦す〈死の真実〉の解明のために……〈第四部〉――人魚の妻シレンシアのもとへ行ったフアン、そしてフアンを愛したホルヘはあの後どうなったのか？　フアンとシレンシアの空白の四十年、サンティアゴの愛の形、そしてすべての人物のその後が語られる。「人魚の妻のもとへ行くフアンの三つの話」スピンオフにして続編、完結編。独立した物語としてお楽しみいただけます。☆小説家になろうユーザーでない方も感想を書けるようになっております。作者の糧となりますので、ぜひとも。どなたさまもお気軽に感想、評価お待ちしております！☆