その傷を舐めてくれるのは、失恋相手の弟で。 完結日:2017年7月1日 作者:古千谷早苗 評価:★★★★☆ 4.2※『真夏のリハビリ企画』参加作品です。3000字以内、二話構成で視点変更があります。 話数:全2話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 兄弟 年下男子 日常 注意:全年齢対象 なろうで小説を読む
まず目次を拝見した際、どうして視点を分ける必要があるのかと思ったのだが、作品を読むとその点についてはすぐに合点がいった。 本作は視点を書き分けなければ成立しない物語だ。 『玲視点』、『泉視点』は、いずれもきめこまやかにしたためられている。 玲はどこか冷めた感のある人物かもしれない。 だが、泉は非常に情熱的な人物だ。 印象に残った文章をそのまま記す。『「兄さんのことが好きなんでしょう。応援、しますよ」 そう言って、彼女を縛った。』 泉のこの台詞、心の内に、彼の玲に対する思いの丈が詰まっている。「いつか義姉さんって、呼ばせて下さいよ」 という一文にも注目だ。 愛する女性がどこの誰ともわからない男と遠くに行ってしまうくらいなら、義姉でもいいから繋がりを持っていたい。 泉と同様の状況に置かれるようなことがあれば、私もそう考えるかもしれない。