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「それで、マルスの最後はどうじゃったのかの。」
少年を前に、老魔術師は悲しげな表情を見せていた。
「だめだ。男は引き際が肝心だ。俺はここで敵役として死ななければならない。その上で、お前たちが次の時代を作るんだ。」
少年は、一言一句そのままの言葉を話し終えると悲しそうにうつむいていた。
「お前たちが次の時代を作るか。それで、最後の顔はどんな顔じゃった。」
老魔術師はなおも少年に様子を尋ねていた。
「「ありがとう、息子よ。」と言って、最後は笑っていました。」
少年の口から語られた言葉に、老魔術師は笑顔となっていた。
「そうか、そうか。笑っていたか。そうか。」
片目しかない老魔術師の目からこぼれた涙が、一筋の道を作っていた。
「お主は自分を取り戻したのじゃな。マルス。お主との出会いを思い出したわ。」
老魔術師は涙をぬぐい、遠い目でつぶやいていた。
「助けたその後のことを考えるか・・・・・。」
老魔術師の視線のその先は、はるか過去をとらえていた。
今語られる、孤高の英雄と真理の魔術師の出会いの物語。
話数:全19話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録